奥さんと子どもに好かれたい第122話
人にはそれぞれ事情があるのでしょう。
わかってはいるのですが……。
息子と映画に行ったときのこと。
ベンチで開場を待っていると隣から怒号が聞こえました。
「ほら! だから言ったでしょ!」「まずなんていうの! まず謝りなさい!」
恐る恐る様子をうかがうと、お母さんと一緒に来ていた5歳ぐらいの男の子の持っていたポップコーンがカップからこぼれてしまったようでした。
「早く謝りなさい! あなたはいつもそうだ!」と怒号を飛ばすお母さん。
男の子はお母さんよりもはるかに落ち着いた様子で、ポップコーンをせっせと拾っていました。
そのあまりの迫力に僕は若干引いてしまったのですが、普段大声で怒られることに慣れていない僕の息子も
「人ってこんなに怒られるの……?」
とでも言いたそうな顔でショックを受けているようでした。
急に怒りがマックスになってしまうことは、僕にももちろんあります。
子どものためを思って、つい怒ってしまうのは愛情があるからこそだということも理解はしているつもりですし、これまでも同じようなことがあって公開説教になってしまったのかもしれません。
それぞれの家庭に事情があるのだと思います。
ただ、楽しみに映画を待っていた息子のテンションが、その瞬間、一気に下がってしまったのはとても残念でした。子どもに謝罪ばかり求める発言も若干気になりました。
つくづく「子どもを正しく叱る」ということについて考えさせられました。
家でも外でも気をつけないといけませんね……。