自宅療養中の妊婦さんが自宅で出産、赤ちゃんは助からず
柏市保健所によると、妊婦さんは妊娠29週、30代でひとり暮らしだったとのこと。感染が判明したときは軽症の診断だったようですが、保健所への届け出には「妊婦」という情報はなかったそうです。3日後、保健所の聞き取りがおこなわれ、妊婦さんであることがわかります。そして、呼吸苦を訴え、酸素飽和度の低下も見られたのですが、対応できる医療機関が見つからず自宅療養が継続されることに。
受け入れ先の病院が見つからないまま、この妊婦さんは保健所の聞き取りがあった3日後におなかの張り、出血が見られ、かかりつけの産婦人科や保健所、県の調整本部などで入院調整がおこなわれましたが、入院先は見つからず、自宅で赤ちゃんを出産しました。
その後この妊婦さんが自ら救急要請をおこない、赤ちゃんは病院に救急搬送されましたが、残念ながら亡くなったということです。
妊婦さんもワクチン接種を
妊娠中、特に妊娠後期に新型コロナウイルスに感染すると、重症化しやすいとされています。そのため、日本産婦人科学会は妊婦さんに対し、時期を問わずワクチンを接種することをすすめています。さらに妊婦さんの約8割が夫やパートナーからの感染であることから、夫またはパートナーへのワクチン接種をすすめています。
ワクチン接種をするにあたり、やはり気になるのが副反応かと思います。ですが、副反応に関しては、妊婦さんと一般の人に差はないこと、副反応の有無にかかわらず、妊娠の異常(流産、早産、その他)の頻度はワクチンを打たなかった妊婦さんと同じであると報告されいます。また、副反応で発熱した場合も、アセトアミノフェンは内服しても問題ないとしています。
接種を希望される場合は、あらかじめかかりつけ医に相談し、接種の際はその旨を接種会場の問診医に伝えて、接種を受けましょう。
本来であれば救えたかもしれない赤ちゃんの命。このことを機に、神奈川県秦野市では妊婦さんを対象とした新型コロナワクチンの優先接種枠を設けると発表、兵庫県姫路市も妊婦さんと配偶者の優先接種をおこなうと発表しています。また、千葉大病院が新型コロナウイルスに感染した妊婦さんの専用病床設置を発表するなど妊婦さんに対する新型コロナウイルス対応に動きが見られています。
二度とこのようなことが起きないようにスピーディな対応が望まれますが、実際問題、人員の確保などクリアしなければならないことも少なからずあるかと思います。ですので、やはり、感染しない・させないことが大切になってくるかと思います。今一度基本に立ち返り、人との接触を避ける、正しいマスクの着用・手洗いなどできることからおこなって未然に感染を防げるようにしましょう。
【不安を抱えている人へは相談窓口へ】
都道府県等における妊婦の方々への新型コロナウイルスに関する相談窓口