※コロナ禍前の体験談です
もしかして長女は赤ちゃんが苦手?
2人目の妊娠後期、ママ友に赤ちゃんが生まれたので、2歳になる長女と2人で顔を見に行くことになりました。私は「小さくてかわいい赤ちゃんを見て、お姉ちゃんになることを楽しみにできたらいいな」と思っていたのですが、結果は真逆。
長女は赤ちゃんが寝ている和室に入ることすら嫌がり、赤ちゃんが泣くと耳を塞ぐなど、あからさまに赤ちゃんの存在に対して不快感を示したのです。そんな長女の様子を見て私は「うちに赤ちゃんが生まれたらどうなるんだろう」という不安で胸がいっぱいになりました。
助産師さんに相談
その後の妊婦健診でバースプランに関する面談があったため、私は先日のことを助産師さんに話してみました。
助産師さんは「正直生まれたばかりの赤ちゃんって、子どもからしたら未知の動物みたいなものだからね」と言って笑い、「でも、お母さんから生まれてくるところを見ると、“家族なんだ”って理解してくれることもあるよ」と立ち会い出産をすすめてくれました。帰宅後に夫と相談した結果、夫が長女の世話を快諾してくれたため、私は2人目を立ち会い出産で産むことを決意しました。
長女だけ立ち会いのもと出産開始
2人目はお盆休みに合わせて誘発分娩をおこなうことになっていました。陣痛促進剤を使ってもなかなか陣痛に至らず半日が過ぎ、今日はもう生まれないかもというあきらめモードに……。そんななか、停めていた車を移動しなければならず夫が一旦退席。
すると、その途端にお産が進みだし、破水しました。急激に訪れた陣痛で視界が霞むなか、長女が心配そうに私の枕元で顔を覗き込んでいたのを今でも思い出します。
48分のスピード出産
その後はあっという間に子宮口全開大となり、夫が戻ってきて30分ほどで次女が生まれました。短時間だったうえ、ただごとではない私の様子に驚いたのか、長女はずっと私の枕元で私の頭をなでてくれていました。
次女が出てきて、泣き声が聞こえた瞬間、長女は「あーちゃん(赤ちゃん)」と呟き、私の胸に乗せられた次女の濡れた頭を愛おしそうになでたのです。私は次女の誕生よりも、長女のなかで次女が「家族」と認識された瞬間に感動して、目を潤ませていました。
立ち会い出産を経て、「赤ちゃんが苦手な2歳児」だった長女は「妹大好きお姉ちゃん」に生まれ変わりました。もちろんこの件で赤ちゃん返りなどがまったくなかったというわけではありませんが、「長女が次女のことを“家族”として認めている」という事実を得たことで、私自身温かい気持ちで姉妹を見守ることができている気がします。
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イラストレーター/山口がたこ
監修/助産師REIKO
著者:岩崎はるか
2女1男の母。両実家とも遠方のためワンオペ育児中。先天異常の影響で肺が片方しかない医療的ケア児を含む3人の子を育てた育児体験談のほか、大学院で農学を学んだ経験から食についても執筆。