行政(国、都道府県、市区町村)は、様々な支援制度・助成制度を実施していますが、多くの場合、対象者が申請をすることによって支援・助成が受けられます。制度の中には新しくできた制度や期間限定のものなどあまり浸透していないものも少なくありません。
今回は、自治体独自の制度で子育てに関する支援制度・助成制度について2021年9月5日時点の内容のものをいくつかお伝えします。
10万円相当の育児用品や子育て支援サービスを提供
東京都では、コロナ禍において、子供を産み育てる家庭を応援・後押しするために、新生児1人あたり10万円相当の育児用品や子育て支援サービス等を提供する事業を実施しています。対象となる世帯は、以下に該当する世帯です。
【1】2021年1月1日~2021年3月31日までの間に出産し、出生日と2021年4月1日の両日に、出生した子どもを含む住民登録が都内にある世帯
【2】2021年4月1日~2023年3月31日までの間に出産し、出生日に、出生した子どもを含む住民登録が都内にある世帯
利用には、出生時にお住まいの区市町村を通じて、対象家庭へ専用IDを記載したカードを配付します。カードの配布には申請は不要です。カードに記載されている内容から、専用サイトへアクセスしたあと登録を行い、10万円相当のポイントが設定されていますので、専用サイトからご希望の育児用品・子育て支援サービス等を選択し、申込ができます。
期限内であれば、複数回に分けての利用も可能です。10万円は現金給付でなく、育児用品への交換や子育て支援サービスの利用ができるポイントが付与されます。利用できる育児用品やサービスは主に以下の通りです。
○家事・育児等サービス(家事支援、育児支援サービス、ベビーシッター)
○ベビー服・雑貨、○離乳食、ミルク
○おしりふき、おむつ
○生活支援用品(加湿器、空気清浄機等の家電製品、生活雑貨)
○おもちゃ
○ベビー用品(ベビーカー、チャイルドシート、バウンサー、ベビーチェア、ベビーベッド、ベビー食器、ファッション雑貨等)
○多胎児用品
〇マスク、アルコール
自治体独自の出産・子育て支援の主な例
その他にも自治体独自の支援の例をお伝えします。
1.出産祝金(現金給付)
子育て支援に力を入れている自治体や財政に余力のある自治体で実施していることが少なくありません。金額も自治体によって異なりますが、一例をあげますと、広島県にある庄原市、岐阜県にある高山市などでは、第1子でも10万円の出産祝金が支給されます。地域商品券等が支給される自治体や子どもの人数が多いと支給額が増える自治体等もあります。
2.育児用品やサービスの無償化・負担軽減化
現金給付ではなく、育児用品やサービスの無償化によって子育て支援の充実を図っている自治体も少なくありません。兵庫県にある明石市ではお子さんが生後3か月~1歳までの間、見守り支援員が毎月紙おむつを無料で配達するとともに子育ての相談ができるサービスを実施しています。
また、第2子以降の保育料が完全無料化などの子育て支援も併せて実施しています。その他の自治体でも、小児医療の無料化の拡充や保育料の負担軽減、不妊治療の女性や妊婦健診等のタクシー料金助成など、様々な取り組みをしています。
現金給付にしても、育児用品やサービスの無償化・負担軽減化にしても、自治体やサービス内容によっては、在住の期間や所得の大小によって、対象外となることもありますので、利用を検討する場合には詳しい条件を確認しましょう。
全国には47都道府県以外に1700を超える市区町村があり、全国で統一されている税や社会福祉の制度以外は、自治体独自の状況や考えが反映されています。上記でお伝えした支援制度も一例で、お住まいの自治体独自の制度がある可能性もあります。これを機会に広報誌やホームページを確認する機会にして、行政からの支援制度を有効に使っていただければと思います。