とても親切で話しやすいご近所ママ
私は結婚してすぐに夫の住む家に引っ越しました。私にとっては知らない土地での新生活。故郷と離れていたので、友だちもいない日々を過ごしていましたが、私の出産を機に向かいの家のママが話しかけてくれるようになりました。
お互い子どもの年齢も近いので、すぐに仲良くなりました。そのママは地域のことや子育てについてよく知っていて、いつの間にか私もそのママを信用していました。
少しずつ見えてきたママ友の本性
ママ友と仲良くなるにつれ、数年前から住んでいる夫は私に「気をつけたほうが良いよ。あまり深く関わらないほうが良い。良いところもあるけど家庭のことなど詳しく話さないように」と言われました。はじめはどういうことだろうと思っていましたが、少しずつ夫の言うことがわかるようになってきました。
ママ友は私にご近所の夫婦問題やお年寄りのご家庭のことなど、いろいろと話すようになってきたのです。段々と情報は内容が濃くなってきて、私の夫が過去に付き合っていた人の話なども教えてくれました。
夫のことについても……
ある日、ママ友から「ご近所の自治会の人たちが私の夫のことを良いように思っていないみたい」と言われました。ちょうど夫は前年度の自治会の役員をしていましたが、仕事が多忙でなかなか会合などに出席できなかったようです。
毎回出席は難しいと事前に話したようですが、役員をする方がおらず、それでも良いからと言われて引き受けたそうです。その話を聞いたとき、ママ友はなんて言ったんだろうと気になってはいましたが、他の方から一緒になって私の夫のことを悪く言っていたというのを聞きました。
現在、そのママ友との関係は……
その後もママ友は変わらずお茶やランチに誘ってくれました。ですが、私は段々とママ友に会いたい気持ちが減り、少しずつ誘われても理由をつけて断り、距離を置いていきました。
するとママ友からの誘いは減り、現在では顔を合わせばあいさつをする程度となりました。他のママからの情報では、今は別のママと仲良くしていてご近所のことなどの噂話をしていると聞いています。
いろいろと何でも話をしてくれる人は、私の話も他のママたちに喋っていたのだろうと思います。それと同時に、信用して何でも人に話すのはダメだ……と反省しました。でも、今となっては私自身もそのママ友だけではなく他のご近所の方ともコミュニケーションをとって、いろいろ情報や交流を深めるべきだと学ぶことができた良い経験だったと思っています。
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イラストレーター/山口がたこ
監修/助産師 松田玲子
著者:中村 望
8歳、6歳、3歳、0歳の4人育児中のママ。長年、事務員として勤務していたが出産を機に退職。1人目の育児が少し落ち着いたときに趣味として始めた習い事で、現在では指導者として教室を運営。ママ目線での執筆活動もおこなう。