チャイルドシートのイヤイヤは突然に
「イヤイヤは成長過程で必要な自己主張。否定せず寄り添う」というスタンスで、どんとこい! と待ち構えていた私ですが、チャイルドシート拒否だけはお手上げでした。
赤ちゃんのころはひょいっと乗せることができるチャイルドシートですが、2歳ともなると力づくで押さえつけることが困難になってきました。娘がチャイルドシートに乗るのを嫌がって体をのけぞらせるようになったのです。
攻略法は先人の知恵に頼る
娘がイヤイヤ期に入ると、私は「今食べるのがイヤなら食べなくてヨシ。おなかが空けば食べるだろう。今寝るのがイヤなら寝なくてヨシ。そのうち眠くなれば寝るだろう」と考え、自分なりに娘のイヤイヤをおおらかに受け止めるようにしていました。また、イヤイヤする中で「ママのことがイヤ」となっても「ママは娘ちゃんが好きだよと伝える 」ということも意識していました。しかし、チャイルドシートを拒否されると保育園から家に帰ることができません。
先輩パパ、ママにチャイルドシート拒否の対策を聞くと、おやつを持たせるか動画を見せながら誘導するというものがありました。わが家はそれまで娘にテレビなどをあまり観せていなかったのですが、車内で短い動画を流してみました。すると、すんなり座ってくれるときもありましたが、やはりイヤイヤされることもありました。そこで私は娘のイヤイヤに付き合うようにしようと改めて思いました。
思わずため息が…
私は時短勤務で保育園は職場から5分の距離のところにあったので、お迎え後は余裕がありました。娘がチャイルドシートをのけぞって拒否するとき、日が暮れるまで娘に付き合ったことが何度もあります。保育園に許可を得て保育園の駐車場に車を置かせてもらい、歩いて15分ほどの公園へ行き、1時間近く遊ぶことが多かったです。 またある日は、娘は車の中を探検して、置いてあるCDをバラバラにして遊んだりしながらご機嫌になることも。
しかし、それでも気が済まなくて、やっぱり座らせようとするとのけぞってしまうこともありました。特に記憶に残っているのが、大好きなスーパーに行こうと誘いスムーズに車に乗ったものの、スーパーから帰るときになってのけぞった日のことです。 帰りの車で食べようと焼き芋も買ったのに、娘はどうしてもチャイルドシートに乗りたくなかった様子。思わず「はあ~」とため息をつきながら見上げた空には、お月様が見えていました。
今では懐かしい思い出
娘はチャイルドシートが嫌いなわけではなく、イヤイヤして親を試したいだけだったのかもしれません。しかし、チャイルドシートに乗せるためのバトルがおっくうで休日はすっかり出不精になりました。時間に追われて無理やり乗せて娘を泣かせてしまったときは、親の都合に付き合わせてごめんねと思っていました。
けれど乗車バトルも、半年くらいするとすーっと落ち着いてきたので、今は娘の成長を感じています。そして娘のためにと暗くなるまで付き合ったころのことが、今ではとても懐かしく、おもしろい思い出となっています。
イヤイヤ期も大切な成長過程と捉え、娘のチャイルドシート拒否に付き合った結果、ときにはリアルに日が暮れました。公園で1時間遊んでも、やっぱりのけぞって嫌がることもありました。大変だったけれど、あのときヘトヘトになりながらも付き合った時間は、今となってはかけがえのない思い出になっています。
ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日なりますように!
監修/助産師REIKO
著者:コイデ フサコ
娘が1歳のときから現在4歳まで正社員ワーママを頑張ったものの、心身共に限界を感じて10年勤めた会社を退職。娘にとってお母さんの代わりはいないこと、お母さんの自由時間の大切さを痛感している。