少量の出血が出た後、生理のような鮮血が出て、病院の超音波で診てもらうと、「心臓、動いてないね」と医師からお腹の赤ちゃんが亡くなったことを告げられました。
りほさんはパパに車の鍵をもらってひとり車へ向かい、「わぁぁぁー」大声で泣いて……。
「きみがママにくれたもの。2度の流産の話」第15話
※流産後の処置については、病院・産院によって方針が異なります
車で思いっきり泣いて落ち着いていると、パパが呼びに来ました。
医師から今後の流れについて聞いていましたが、改めて助産師さんから処置について詳しい説明がありました。
「手術は母体への負担が大きいため、当院では推奨していません」
「しばらく様子を見て、自然に流れるのを待ちましょう」
と、助産師さんから言われました。
自然に流れるとはどういうことかをりほさんが聞くと、
「多量の出血と強い腹痛とともに大きい塊が出てきます」
「塊が出たらトイレに流さず、こちらへ持ってきてください」
そう告げられました。
心臓は動いていないけれど、赤ちゃんはお腹の中にいる……そんな状況のせいか、りほさんの体は妊娠モードのまま。
つわりはそのまま続き、味覚の変化や吐き気も変わりません。
けれど、生理痛のような腹痛や腰痛が出て、いつ、前回のような出血や痛みが来るんだろう…と恐怖に怯えていました。
また、つわりが続いていることで、
「もしかしてあれは誤診で、赤ちゃんはまだ生きているんじゃないか」
そんな希望も捨てられずにいました。
そもそも、つわりや妊娠中の体調不良は赤ちゃんに会えるから頑張って乗り切れるもの……。
「今私は何のためにこの辛さに耐えればいいんだろう……」
苦しくなってしまうりほさんですが、
「お腹の赤ちゃんは守れなかったけど、目の前にある大切な命は
自分の命をかけても必ず一生守る」
そう改めて固く心に誓ったのでした。
次回、1週間が過ぎて、りほさんが医師にお願いしたことは……
監修/助産師REIKO