手術を推奨しない病院のため、亡くなったお腹の子どもが自然に流れるのを待つように言われました。
自宅に戻って自然に流れるのを待っていましたが、つわりが続いていたため、「あれは誤診で、赤ちゃんはまだ生きているんじゃ……」そんな希望も捨てられませんでした。
つわりや妊娠中の体調不良は、赤ちゃんに会えるから頑張って乗り切れるもの。「今私は何のためにこの辛さ(つわり)を耐えればいいんだろう……」と、苦しんでいたりほさんは……
「きみがママにくれたもの。2度の流産の話」第16話
お腹の子は亡くなってしまっても、つわりが続いていたりほさん。
1週間過ぎても自然流産が起こらず、病院でも「この前と変わってないね」と医師から告げられました。
りほさんは、
「この状態で日常生活を送るのはもう精神的に限界です」
「手術にしてください」
と、お願いしました。
すると、医師も納得し、手術の日取りが決まりました。
ついに手術が明日に迫った前日。
「明日朝から病院でしょ? 今日くらい2階でゆっくり寝ておいでよ」と優しい言葉をかけてくれるパパ。
「うん、じゃあそうさせてもらおうかな」と、1人で休むことに。
「今日が最後なんだな…ごめんね、守ってあげられなくて」
「産んであげられなくて、抱きしめてあげられなくてごめん」
りほさんはお腹の子に思いを馳せ、謝ります。
そして、
「4人家族になる夢を、ハルがお兄ちゃんになる夢を見せてくれてありがとう」
「ママのお腹を選んでくれてありがとう」
感謝の言葉を送りながら、涙を流しました。
「どうか、空の上では元気に走り回れますように」
次回、ついに手術当日。余計なことを考えないようして手術に臨んだものの…
監修/助産師REIKO