子煩悩でやさしい義父
義父は普段からとても温厚で、やさしく気づかいのできる人です。妊娠中から私の体調をとても気にしてくれて、買い物に行くのも大変なつわり真っ最中の時期には、私の代わりに義母と一緒に買い物をしてきてくれたこともありました。
出産後は孫にデレデレ。義母は土日も仕事があるため、産後は義父だけでわが家へよく遊びにくるように。息子が泣いている姿さえもとても愛おしいようで、いつも義父は満面の笑みで息子をやさしくあやしてくれました。
義父の行動に鳥肌
そんな義父の行動に違和感を覚えたのは、息子が新生児期のころ。義父だけがわが家へ遊びにきたときでした。いつものように義父が息子をあやしてくれていましたが、授乳する時間になったため「授乳してきますね」と義父から息子を預かりました。すると「おっぱいの時間でしゅか~!」と言って、まるでおっぱいを吸うように口を尖らせてチュッチュッチュと部屋に鳴り響くような音を出したのです。
私は一瞬、義父のおっぱいを吸うような仕草に不快感を覚えました。その場に夫もいましたが、特に気にしていない様子。いつも本当に良くしてくれる義父に対して、不快だと感じてしまったことに少し罪悪感を感じ、その日は特に何も言わずに終えました。
不快なのは私だけ?
息子が生後3カ月のころ、大型連休を利用して県外にいる義姉家族と義実家で集まることに。いつものように義父が息子と遊んでくれていたとき、息子が泣き出しました。すると義父は「どうした? おっぱいか? ママのおっぱいチュッチュッチュするか!」と言い、口を尖らせて何度もチュッチュと音を鳴らすのです。やはり私はその行動に抵抗があったのですが、義父を見ていた義母、夫、義姉たちは誰も気にしていないようでした。
悪気があってしたことではないと頭ではわかっているものの、どうしても何か言いたくなってしまい、角が立たない伝え方を考えました。その結果、おっぱいと連呼する義父にあえて「授乳をしてきますね」と、“授乳”という言葉を強調してから部屋を出て行くようにしました。おっぱいを吸うような仕草は直すことができませんでしたが、ふと気付くと義父も“授乳”という言葉を使うようになっていました。
息子が1歳になった現在は、義父の行動に対して特に不快に感じることはなくなりました。今振り返ってみると、産後のホルモンバランスの影響で少し神経質になりすぎていたのかもしれません。とはいえ、産後はちょっとしたことでも気になってしまうので、これを反面教師にして、将来息子のお嫁さんには同じようなことが起きないよう、私自身と夫の行動には十分気を付けようと思ったのでした。
著者:米久 熊代/30代女性・主婦。1歳児男児の母。人材会社や人事の仕事を経験し、夫の転勤を機に退職。現在はフリーランスとして前職関係の仕事とライターをしながら、プレママ・新米ママ向けブログを運営中。
作画:山口がたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています