HSPである私の頭のなかは…
HSPとは、Highly Sensitive Personの略で「感受性が非常に強く敏感な気質を持った人」という意味です。私の場合は、些細なことから深く情報を読み取り過ぎてしまったり、疲れやすかったり、自己否定が強くなってしまったり。
そんな敏感な私が結婚するにあたり不安だったのは、夫と「一緒に暮らすこと」でした。夫は比較的、細かいことを気にしない性格。家事に協力してくれるのだろうか、私は毎日料理はできるのだろうか、仕事はずっとこのまま続けられるのだろうか、貯金はしていけるのだろうか……と考え出すととキリがありませんでした。
しかし、私は彼に感謝しなければならないのです。
「完璧にしなければならない」という思い込み
結婚当初、初めて2人で暮らすことの楽しみもありましたが、それと同時に、仕事をしながら家事も「完璧にしなければならない」という思いがありました。当時はフルタイムで仕事をしながら、夜ご飯は4品+汁物を用意し、掃除も毎日夜にしていました。
そんな私を見かねた夫は「たくさん作ってくれてうれしいけど、おかずひとつとサラダだけで十分だよ」と言ってくれました。それでいいなら……と、そこから献立の定番は、白米、おかずひとつ、サラダ、具材の多い味噌汁に。さらに週に1日は手抜きの日を作ろうと提案してくれて、一番疲れの溜まっている木曜日は丼ぶりやカップ麺の日にしました。
そんな日々を送っていて驚いたのが、手抜きの日のごはんも、夫はおいしそうに食べていたことです。私にとってはその姿で「毎日頑張らなくていいんだ」と思え、気持ちがラクになりました。
同様に掃除に関しても、夫は「汚れが気になったときか、休みの日にやればいいよ」と言ってくれました。
私のありたい姿は…
夫に教えてもらったことは他にもあります。「他人は自分のことなんて気にしていない」ということです。私は昔から、生真面目すぎるのか、完璧主義で人の目を気にしすぎるところがありました。会社員として働いていたときも、頑張りすぎてしまい、さらにHSPでいろいろなことを気にしてしまうなど毎日がつらかったです。
家庭、職場、友人関係で周りから見ても、恵まれた環境にいた私は、つらいなどと口にはできませんでした。周りの期待に応えようと無理をしていたのかもしれません。そんなとき、夫から「他人は自分のことなんて気にしていない」という言葉をもらったのです。
夫と一緒に暮らしていて感じることは、夫は自分の軸があって人の目を気にしておらず適度に手を抜ける。そして自分のご機嫌を取ることができる人。それは私のありたい姿でもあります。夫と一緒にいると、「もっと自分を甘やかしていいんだ」と気付かされることが多く、驚きの連続です。心の重りが軽くなったような気持ちにさせてくれます。
結婚後しばらくして私は会社を辞め、自分で仕事を始めました。
会社員として仕事をしていたころと違う悩みはありますが、今人生で一番身軽に生きることができているのは、夫のおかげ。私はこれから夫にたくさん恩返しをしていきたいと思っています。夢は大きく、自分の収入でマイホームを購入すること!これは夫には内緒にしておこうと思います。
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著者/しまむら りえ