ベビーカレンダーは、多様化している家族のあり方=“新しい家族のカタチ”について発信する取り組みを開始しました。当事者のリアルな声をご紹介していきます。多様な幸せを実現できる社会、そして、もっと「家族を持ちたい」「赤ちゃんを産みたい」と思う人が増える世の中づくりの一助となりますように。
予期せぬ妊娠! そのときの彼の反応は……
「これ以上、子どもはいらないんだ」
29歳の春先、妊娠がわかったときに彼から言われた言葉です。
彼には離婚歴があり、3人の子どもとは良い関係が続いている、ということは交際前から知っていました。とはいえ、私のおなかの中に宿っている命を、それを理由に否定されるとは思ってもみませんでした。
そのあと何度かの話し合いでも、彼の主張は「今回は諦めて」の一点張り。挙句のはてには「子どもがいたらもう恋愛はできないよ。俺とダメになったとしても次の恋にいけるように諦めたほうがいい」と身勝手なことを言われる始末。
私の人生にもうあなたはいらない!
身勝手なことを言い、自分の主張を譲らない彼に、私はもうすっかり愛想が尽きてしまいました。
「これ以上の話し合いは無意味です。もう、私から連絡しません」
そう最後にメールして、私は関係を終わらせることにしました。
実は、私は自分がこの人生で子どもを持つ、ということは願っていませんでした。ですが、おなかに宿ったこの命を消してしまう、ということは考えられませんでした。
口のうまい彼と一緒にいたら、そのうち丸め込まれて堕胎することになるのではないか、そんな危機感もあり、彼との別れを選択しました。
大丈夫、私には味方がたくさんいる
その当時、妹が授かり婚をしたばかりだったので、父母が不意の妊娠についてそれほどネガティブに考えていないことは、なんとなくわかっていました。経緯を説明し、結婚はできないが産みたいことを話すと、母は黙って聞いていたあと、「おなかの中の子どもが一番大事よ」と言ってくれました。
父や祖母は怒るどころか新しい命だと喜んでくれました。妹はビックリしていましたが、「うちの子にいとこができてよかったー」と、私に寄り添うコメントをしてくれました。
思わぬ妊娠でしたが、周囲に応援してくれる家族がいたことと、専門職の免許を持っていたこともあり、未婚でも育てていける、と腹を決めることができました。そして現在、10歳になった息子との2人暮らしを楽しんでいます。あのとき結婚にこだわらなくてよかったと思っています。
著者:春日井透子/40代女性・言語聴覚士兼ライター。小学4年生の息子と2人暮らしの未婚シングルマザー。言語聴覚士というリハビリの専門職の仕事とライター業をかけもちしています。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています