
こんなはずじゃなかった!夢見た仕事で挫折
幼いころから夢見ていた「幼稚園教諭」という職業。無事に大学を卒業し、入職先も決まり、「明日から憧れの先生になれるんだ」とうれしさと期待でワクワクしていました。しかし、幼稚園の先生の現実はすごく厳しいものだったのです。
私の場合、朝は7時に出勤するものの、仕事の量が多く帰りは22時過ぎ。それでも終わらないので土日も出勤することや、持ち帰って仕事をすることもありました。子どもたちと過ごす時間はとても楽しかったものの、仕事のハードさ、そして職場の人間関係にどんどん疲弊していきました。
とくに人間関係はつらく、他の先生のミスを押し付けられたり、誰もフォローしてくれなかったりと、私は孤独を感じるように。主任の先生から「あなたのクラスの子どもたちはかわいそう」とまで言われたことがあり、夢見ていた理想の職場とはあまりにもかけ離れていて、最終的には精神科に通うまで心に傷を負ってしまいました。
もう一度だけチャレンジしてみよう
その後、私はその職場を2年で辞めることに。しばらくはゆっくり過ごそうと心と体を休めていたとき、これからの仕事について考えていました。幼稚園の先生はずっと憧れていた仕事。つらい経験をしたけれど、もう一度だけチャレンジしてみようと、再度幼稚園に就職することにしました。
また同じ繰り返しになるのではないか、と不安でいっぱいでしたが、その幼稚園はとてもあたたかい職場で、職員の方々のやさしさから、徐々に自分を取り戻すことができました。
職場の先生たちと外に遊びに出たり、さまざまな交流会に参加したりと、人見知りだった性格もだんだんと社交的になっていくように。
すべてはこの人に出会うための道だった
私は保護者とも積極的に話すことができるようになりました。会話をすることで信頼関係が築け、次第に保護者からの相談も受けるように。そんなときある保護者の方から、職場でつらい状況にあり、苦しい思いをしているということを相談されました。過去の私とまったく同じ状況にあり、話を聞いたりアドバイスをしたりしていくなかで、その方と仲良くなっていきました。そしてある日、「あなたに会わせたい人がいるの。一度会ってくれないか」と話を持ちかけられたのです。
そこで出会ったのが今の夫です。夫はその保護者と同じ職場で働いていて、私と同じようにその保護者の相談を受けていたひとりでした。「私の相談に乗ってくれた、大好きな人同士が仲良くなってくれたらうれしい」とその保護者の方に言われ、ドキドキしながらも会ってみることに。話してみるととてもやさしい人で、どこかお互い似たところもあり、すぐにお付き合いが始まりました。
付き合って3カ月経つころには結婚の話が出て、デート感覚で結婚式場選びをして、両家の顔合わせをして……とスムーズに結婚まで進みました。今は3人の姫たちにも恵まれ、本当に幸せを噛み締める毎日です。
最初の職場でのつらい思い出は、これから先もきっと忘れることはないでしょう。しかし、つらい経験を経て転職し、あの保護者に出会っていなければ、夫に出会うこともありませんでした。ある意味、夫に出会うための試練だったのかなと感じています。今、たくさんの人に支えられて幸せな生活ができていることをうれしく思う日々です。
原案・文/金城りえ
作画/ちゃこ
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!