ピルの処方だけで終わるはずだったのに
ある日、計画していた旅行と生理が重なりそうだったので、ピルを処方してもらうために産婦人科を受診しました。
無事に診察が終わり、希望していたピルを処方してもらえたのでひと安心したのも束の間、先生に「ところで、妊娠は希望されていますか?」と聞かれました。
なかなか授からないことを打ち明けると「もちろん個人差はありますが、今では1年経っても妊娠しなければ不妊症と診断されます。治療はご希望ですか?」と告げられたのです。
毎日基礎体温を測り再受診
何が原因なのかを調べるために、まずは3カ月分の基礎体温を記録し再受診することになりました。そして再受診当日、記録と採血の結果をもとに「プロラクチンの数値が少々高めで、基礎体温も体温差がない月があるのでおそらく無排卵周期症でしょう」と診断されたのです。
妊娠するためには排卵が大切だということは知っていたので、毎月生理がきているのに排卵がないのはどういうことなのかと思わず混乱した私。先生の丁寧な説明を聞いたうえで、いつから排卵誘発剤を使うかを夫と話し合うことにしました。
いよいよ排卵誘発剤を使おうとしたものの
受診の結果を伝えると、夫はまず私の体を心配してくれました。そして、夫と話し合った結果、排卵誘発剤は私自身が治療に前向きになれたタイミングで始めようということになりました。実は、産婦人科を受診して以降、妊娠のことばかり考えていた私は少し休憩したいと考えていたのです。
というのも、基礎体温を測っていた3カ月間の私は、生理がくるたびに気分が落ち込んだり、夫にやつあたりしたりと家庭内の雰囲気を悪くしていました。このままでは夫を傷つけてしまうと思い、一旦子どものことは考えずに夫婦2人の時間を楽しむことにしたのです。それと同時に、軽い運動を始めたり、食生活を見直したりと妊娠に向けての準備を進めていました。
それから半年経っても妊娠できなかったため、私は排卵誘発剤を使うことにしました。ところが、次の生理から服用するようにとクロミッドを処方されたものの、生理予定日を過ぎても生理がきません。健康診断を受ける予定もあったため、まさかとは思いつつ念のため妊娠検査薬で調べてみると……なんと妊娠していたのです! 偶然にも、排卵誘発剤を使う直前でわが子はやってきてくれたのでした。
毎月生理がきているからといって、いつでも妊娠できる状態ではないということを学んだ数か月間でした。
あのとき、たまたま受診した産婦人科で「不妊症です」と言われなかったら。
面倒だからと、自己判断で基礎体温の記録を途中でやめていたら。
妊活はまだ関係のない話だと悠長にかまえていた自分にとって、とてもよいきっかけになりました。今後も自分の体と向き合い、気になることがあればすぐに病院を受診しようと思います。
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著者/西山百々
監修/助産師REIKO