結婚したあと、パパ呼びに変える?
現夫と娘を最初に会わせたときから、娘は夫を「○○くん」と呼び、夫は娘を「○○ちゃん」と呼んでいました。まず結婚してから悩んだのが、娘に夫のことを「パパ」と呼ばせるか、今まで通り「〇〇くん」呼びのままにするか……。
私としては、家族になったし「パパ」と呼んでほしい気持ちもありましたが、無理強いはしたくないので特に娘には声をかけませんでした。ですが、結婚して一緒の時間が長くなると、いつの間にか娘は自然に「パパ」と呼ぶようになり、夫も「○○」と娘の名前を呼び捨てにするようになっていました。
夫は、娘からのパパ呼びがうれしかったようで、初めて「パパ」と呼ばれたときに顔がほころんでいたのを今でも覚えています。
パパからの愛情表現がわかりにくい?
もともと、私は娘に対して「大好き」「愛してる」「生まれてきてくれてありがとう」「ママは○○(娘)がいて幸せ」といった言葉を日常的に言っています。また、私の実母も、娘が小さいころからよく面倒を見てくれていますが、愛情表現がストレートなタイプです。
しかし、夫はストレートな愛情表現が苦手で、「○○(娘)もお年頃だから、もし『大好き』とか言って気持ち悪いと思われても嫌だし……、普通に恥ずかしい!」と、娘に対してそういった声かけをすることはありませんでした。
そんなある日、娘から私に「パパは私のこと大好きって言わないよね」と言われてしまったのです。
言葉だけがすべてじゃない、パパからの愛情表現
私は、夫の思いを娘にそのまま伝えました。「パパも○○(娘)のこと大好きで大切だと思っているんだけど、そういうことを○○に伝えるのは照れくさいんだって。それに、○○がお年頃だから『気持ち悪いって思われたらいやだ』って言ってたよー(笑)」と。それを聞いた娘は笑顔になり、「そんなこと思わないのにね、変なパパ(笑)」と笑っていました。
続けて、私が「パパが○○のこと大好きじゃなきゃ、○○の好きなケーキをお土産に買ってきたり、○○のために自分のお小遣いでゲーム買ったりしないでしょー」と加えると「確かに!(笑)」と少し安心した様子でした。
再婚にこだわっていたのは私のほう?
先述の件があってから、「娘が何か今の状況で不安に思っていることがあるのではないか」と、定期的に私から娘に「いま何か心配なこととか、困っていることとかない? 家族のことでも、学校のことでも」と聞くようになりました。
私からの声かけをきっかけに、娘の友達関係の相談を受けることもありましたが、ある日「何でそんなに何回も聞くの?」と質問返しされたことがありました。
私が「うちは再婚だし、○○(娘)は人に気遣う子だから遠慮してパパやママに言えないことがあるんじゃないかと思って……」と言うと、「もう、再婚って言うのやめてよね。だって、パパはやさしくておもしろいし、私はパパのこと本当のパパだと思ってるんだから」と言うのです。
私は娘の言葉にハッとしました。「再婚」というワードにこだわっていたのは、私のほうだったのかもしれないなと……。
再婚してからというもの、娘と夫の仲が深まるよう間に入り、夫の気持ちを代弁して娘に伝えるなどしていました。しかし、娘からの言葉で、「再婚」というワードにこだわっていて、気にしていたのは誰より自分だったのかもしれない、と気づかされました。今では、そんなことも気にならないくらい仲良しな家族です。
ベビーカレンダーは、多様化している家族のあり方=“新しい家族のカタチ”について発信する取り組みを開始しました。当事者のリアルな声をご紹介していきます。多様な幸せを実現できる社会、そして、もっと「家族を持ちたい」「赤ちゃんを産みたい」と思う人が増える世の中づくりの一助となりますように。
著者:吉川 みきな
15歳女の子と5歳と1歳の男の子の年の差兄弟を育てている母。反抗期の娘とイヤイヤ期の息子の育児に日々奮闘中。上の子を出産後に大学に通い、看護師の資格を取得。現在は看護師としてパート勤務をしている。