風邪にしても何か変な感じが…
私は発熱に耐えながらさまざまなことを考えていました。「おなかの赤ちゃんは大丈夫なの? それよりこの熱はなんだろう? 喉も痛くないし鼻水も出ていないし、風邪にしてはおかしい気がする……」。いろいろと考えを巡らせているうちに眠ってしまい、朝になっていました。熱も37.6度と少し落ち着いています。
私はひとまず産婦人科へ電話を入れて聞いてみることにしました。産婦人科では、「風邪かもしれないし、診るまではなんとも言えません。今から来られますか?」と聞かれ、実家の母親に迎えに来てもらい一緒に産婦人科へ行くことに。風邪の疑いもあるため、他の妊婦さんと接触しないよう診察室へ通されて診察が始まりました。
腰をトントンとされ激痛が!
診察が始まり喉を調べた先生が、「うーん、喉は赤くないね。ちょっと気になることがあるから後ろ向いてくれるかな?」と椅子をくるりと回転させ、腰骨の上をトントンと軽く叩いたのです。
びっくりしたとともに、経験したことのないような奥に響く激痛が!これは腎盂腎炎(じんうじんえん)の疑いがあるとのことで、尿検査と血液検査をすることに。急性腎盂腎炎と判明し、入院することになりました。
即入院で入院生活がスタート
すぐに病室に通され、入院生活が始まりました。入院中は抗生物質の点滴をして、熱が上がると看護師さんを呼んで解熱剤の坐薬を入れてもらいました。腎盂腎炎の菌はなかなかしぶといらしく、何度も40度近く熱が上がり、そのたびに解熱剤を使用し抗生物質の点滴が続きます。私は治療を受けながら熱でもうろうとしていて、ほぼ寝たきりで過ごしました。
こんなにもいろいろな薬が使われておなかの赤ちゃんはどうなっているんだろう? それだけが心配でたまりませんでした。そして、2週間後にようやく熱が落ち着き、退院することに。退院の日、おなかの赤ちゃんは12週になっており、先生は「そろそろ心音が聞こえるころですよ」とドップラー聴診器で赤ちゃんの心音を聞かせてくれました。とてもうれしかったのを覚えています。
妊娠中は膀胱から菌が上に入り、腎盂腎炎にかかりやすくなるとのこと。少しでも残尿感や膀胱炎かな?と感じたらすぐ受診するようにと説明を受けました。
妊娠するとおしっこが近くなると聞いていたので頻尿かな?と思っても気にしていませんでしたが、すぐに受診すべきだったと反省。その後、元気になって長男を出産し、心から安心したことを覚えています。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
イラスト/てる子
著者:優木 まり
3男1女を育てるアラフィフママ。元美容部員のスキルを生かして美容記事を執筆するほか、子育て・出産関連についても執筆している。