妊娠5カ月で現れた謎の下腹部痛
私が長男を妊娠していたときの話です。当時妊娠5カ月だった私はつわりも終わり、これといったトラブルのない順調な妊婦生活を送っていました。妊娠5カ月の終わりごろは年末年始だったため、夫と県外の実家に帰省しました。
しかし帰省した次の日ぐらいから、私は下腹部にちょっとした痛みを感じるようになったのです。最初は「まあ原因のわからない腹痛なんてよくあるし」と、大して気に留めていませんでした。
立っていられないほどの激しい痛み
しかし私の楽観的な考えとは対照に、下腹部痛は日に日に強くなっていきました。夫の実家で食後に洗い物をしているとき、急に下腹部に差し込むような痛みが走り、思わずしゃがみこんでしまいました。夫と一緒に外を歩いているときも激痛が走り、その場に座りこんで動けなくなってしまったことも……。
しかし不思議なことに1分ぐらい経つと、何事もなかったかのように痛みは治まるのです。夫には救急外来を受診しようと言われましたが、その数日後には妊婦健診を予約していました。私はわざわざ救急外来を受診するのも気が引け、1分ほど経つと痛みが治まるということもあり、数日後の妊婦健診で診てもらうことにしました。
激しい下腹部痛の正体とは
妊婦健診で診てもらった結果は異常なし。子宮頸管の長さを測ってもらいましたが問題なく、切迫流産の危険性もありませんでした。
心配だった下腹部痛の正体は、円靭帯痛(えんじんたいつう)と呼ばれるものでした。円靭帯痛とは、子宮を支えている円靭帯というものが延びるときの痛みのことだそうです。
これは妊娠15週から25週ぐらいまでの期間に、子宮の大きさが急激に大きくなるのに伴って引き起こされるものだそうです。私は異常がなくて安堵すると同時に、「異常がなくてもこんなに激痛になることがあるんだ」と驚かずにはいられませんでした。私の場合、この円靭帯痛は妊娠6カ月になると次第になくなってきました。
このときは結果として何ともなくてよかったけれど、もしあのときの下腹部痛に別の原因があり、それを放置して長男や自分の身に危険が及んでいたら、一生後悔したと思います。
以降はこの経験を生かし、次男の妊娠中はささいな体調の変化でもすぐ先生に伝えるようにしました。「赤ちゃんと自分の命を守れるのは母親だけ」ということを、改めて肝に銘じた体験でした。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。
監修/助産師 松田玲子
イラストレーター/山口がたこ
著者:今岡めい
6歳と4歳の超わんぱく兄弟を育てるママであり、フリーライター。「子育てで一番大切なのは母親が笑顔でいること」「幼児期最大の英才教育は遊びである」をモットーに掲げ、日々テキトー育児を繰り広げている。