同性の友人にも相談しづらくて
思春期だった高校生当時の私は、生理でおなかが痛いことや眠気があることなどを話題に出すことになんとなく恥ずかしさを感じ、仲のいい友人にも相談することができませんでした。ナプキンの入ったポーチを持ってトイレに行くことで周りに生理だと悟られるのではないかと思い、トイレに行く回数は本当も必要最低限にしていたほど。
あまりナプキンを取り替えないためか自分でも経血のにおいがわかってしまうことがあり、そのときは周りにあまり人がいないときなどタイミングを見計らって急いでトイレに駆け込んでいたのです。
「におわない?」まさか、私!?
ある日、仲の良いグループではないものの、会えば普通に話をする友人Aさんと放課後2人で教室に残っていたとき事件は起きました。Aさんと文化祭で使う旗を作っているとき、Aさんが急に「なんだかにおわない?」と私に聞いてきたのです。
Aさんの言葉にドキッとして血の気が引いていくのを感じました。私はその日生理中。トイレにはお昼休みを最後に行っていなかったことや、旗作りをしていたとき床に座っていて、いつもよりAさんとの距離が近いことなど自分の生理のにおいだろうと思い当たる節が多々ありました。
Aさんからの質問に私はなんと答えていいのかわからず一瞬固まってしまいましたが「ごめん。生理中なんだけど、新しいナプキンに替えるの忘れてた……」とAさんに伝えました。
私の返答に固まるAさん。実は…
するとAさんはとてもびっくりした様子で一瞬固まったあと「ごめん! 〇〇(私)のことを言ったんじゃないの! 私が今生理だから、くさいと思われてないか心配で、思い切って聞いてみたの」と口にしました。
Aさんの言葉に、自分のにおいではなかったのだと当時の私はとても安堵したことを覚えています。Aさんからのカミングアウトをきっかけに、今までなんとなく話しづらかった生理についてAさんに相談することに。
Aさんも自身の症状などを話してくれ、今まで生理に対して感じていた気恥しさが少し和らいだのです。Aさんとのことがあった日以降、私が気にしすぎていただけで、不安なことがあれば周囲に相談してもいいということに気付きました。そして、ナプキンもこまめに取り替えられるようになりました。
Aさんと話す前は、周りの目を気にしてナプキンを頻繁に替えなかったためか、経血による蒸れで痒くなることや、不快なにおいを気にしてしまうことが多かったように感じます。しかし、ナプキンをこまめに替えるようになってからは経血による悩みは少なくなりました。
衛生的にも自分の気持ち的にも生理とうまく付き合うきっかけとなった出来事でした。
著者/米久熊代
イラスト/塩り
監修/助産師 松田玲子
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