出会いは突然で…
はりきって海外に出てきたものの知り合いもおらず暇を持て余していた私は、言語を学びたい人同士がマッチングできる言語交換サイトに登録。そこで出会ったブラジル人男性と食事に行くことになりました。当日、時間ギリギリにそれらしき人が歩いてくるのが見え、恋人を探していたわけではなかったものの私の第一印象は “タイプの顔ではないな”でした。
そんな上から目線の評価をしつつ、レストランで食事をしながら話をするうちに彼の積極性や気配りができるところに惹かれていき……第一印象は“タイプの顔ではない”と思っていた人と、なんと2週間後に交際がスタート。順調に関係を育んでいました。
遠距離になり、彼からプロポーズ!
月日は流れ、新型コロナウイルスの影響で契約先の会社からビザを更新してもらえず、私は日本に一時帰国することに。一方の彼も、母国のブラジルへ帰ることになりました。
遠距離恋愛になりながらも愛を育み続けていたとき、彼から「結婚をしてほしい」とまさかのプロポーズ。私は彼がいるブラジルに行くことを決意しました。
ここで問題なのが親族への報告です。といっても、私の家は母子家庭なので報告といっても母と叔母、叔父だけなのですが……。
まず母に「ブラジルへ行く」と報告をしたとき、驚くほどあっさりとしていました。そのため、てっきり叔母たちへの報告も問題ないだろうと思っていたのですが、叔母宅を訪ねると叔父の様子がおかしいことに気が付いたのです。
叔父たちにとっては“国際結婚”はなかなか馴染みがなかったのでしょう。
「そんな人と結婚をして幸せになれるのか」
それが叔父に言われたひと言でした。すると当初、私の決断に対して何も口出しをしなかった母も、叔父の言葉で「私もその言葉を言ってほしかった」と意見を変える始末に。
ひとりきりの旅立ち
結局、母・親族たちと揉め、しっかりと結婚の許可は得られませんでした。しかし、結婚相手には彼以外考えられないと思った私は、新型コロナウイルスが一時落ち着いた段階で、ひとりブラジルへ飛び立ちました。もちろん親族の見送りはなく、スーツケース2つだけで彼が待つ国へ。
日本を出て約36時間、ようやく空港に到着し、彼の両親が住む家に向かいました。
とてもやさしい義家族で…
義両親は、私たち親族が結婚について揉めたことを知っていたのでどんな反応なのかとても怖かったのですが、義両親は日本からひとりやってきた私をとても温かく迎え入れてくれました。
ブラジル人は老若男女問わず、家族を大事にするという考えが根強く、息子の婚約者である私にもとてもよくしてくださり、今でもとてもいい関係が築けています。彼は男兄弟のため、義理母は娘ができたようだと喜んでくれ、今でもプレゼントをくれたり、料理をふるまってくれたりとたくさんもてなしてくれます。
こちらへ移住をしてから私は母や親族たちと連絡は一切取っておらず、残念ながら縁が切れてしまいましたが、後悔はしていません。一度きりの人生で誰と共に過ごすかは、私自身が決めること。それぞれのカップル、夫婦でいろいろな形があると感じます。私たち夫婦は今の幸せをこれからも継続していければいいなと思っています。
著者/佐伯さとこ
イラスト/塩り
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