NG1:元気があるのに熱が出てすぐ受診する
熱の原因はほとんどがウイルスや細菌といった感染症です。ウイルスや細菌が体内で増えて発熱をするのですが、発熱したばかりだとまだ増殖しはじめたばかりで、正確な診断ができない場合がよくあります。
保育園などから「受診しましょう」と言われたとしても、それは「すぐ受診」という意味ではないかもしれません。今は特に発熱後解熱してから24時間はしっかり休みましょうと言われることが多いかと思います。
保育園で発熱してすぐ受診しても、翌日受診しても、登園できる日は早くはなりません。元気があって水分もとれているようであれば、翌日まで様子を見てから受診を考えてもいいかと思います。
特に救急外来の時間帯は、受診しても専門外の医師であったり、詳しい検査ができないことも多いので、夜中に発熱したけれどよく寝ているときは、様子をみていてもいいかもしれません。
ぐったりしていて水分がとれていないときや、意識がおかしいときなど、少しでも異常を感じたり、心配がある場合はすぐに受診をしましょう。
NG2:具合が悪いのに登校、登園させる
新型コロナウイルスは、現在オミクロン株が主流になり、子どもの感染がとても増えました。そこでかなりあるあるなのが、風邪症状があったのに登校・登園させていたというもの。
発熱して受診したあるお子さんのケースでは、頭痛や喉の痛みなどの症状があったにもかかわらず登校登園していて、後日検査の結果コロナ陽性だと判明しました。
私が診療していても、風邪症状があるときに登園登校していた場合、クラス内感染や施設内感染が広がっていたように感じています。
感染症を発症することは誰しも起こることですし、うつしてしまうのもお互い様。感染症対策をしっかり行っているのであれば、そんなに申し訳ないと思う必要はないと思っています。
しかし、感染を広げてしまうと思うと、自分を責めてしまったり、落ち込んでしまうお子さんがいるかもしれません。
コロナに関わらず、感染症は発症する2~3日前から感染力が出てきて、発熱後2~3日まで感染力が最大になる病原体が多いんです。少しでも体調が「おかしいな?」と思ったら、一度お休みする、元気になったら登園する、というのを改めて徹底しましょう。
共働きのご家庭は、子どもが急に体調を崩しても慌てず対応できるように、「子ども担当日」を事前に決めておくと、突然のお迎えやお休みにも対応しやすいのでおすすめです。
NG3:イライラしてしまう
子どもは体調が悪いと、どうしても機嫌が悪くなりがち。ママは仕事も家事も思った通りには進みませんし、イライラしたり、落ち込んだりしてしまうことがあるかもしれません。でも、ここで親がイライラしてしまっては悪循環になってしまいます。
●熱は病原菌と戦うために出ているから、なるべく下げない方が良いという説もありますが、少しでも子どもに機嫌よく過ごしてもらうために、うまく解熱剤を使う
●たくさん作っても食欲がない場合もあるので、食事は品数も少なく超簡単なものにする
●大人しくなるならテレビや動画を見せてOK!(体も休められますしね)
など開き直って、ママ自身がなるべく疲れないようにするのがポイントです。
子どもの体調が悪い間は、家事なんてできてなくていいんです。自分の体力を温存しておいて、子どもが甘えてくるときに思いっきり相手をしてあげれば大丈夫です。
◇ ◇ ◇
いろいろ書きましたが、体調が悪いときに「絶対正解」「絶対NG」なんてありません。心配ならすぐ受診もしていいですし、イライラしちゃって怒っちゃうこともありますよね。
大事なのは親御さんご自身が、精神的に安定していることです。お子さんの面倒を見ながら、自分も共倒れしては元も子もありません。まずは自分のメンタルと体調の安定を大切にして、お子さんの看病をしてくださいね。