仕事中、突然の下腹部痛が!
24歳の8月。結婚して2カ月、社会人2年目の私は営業の仕事に就いていました。当時は、出社のため朝7時に家を出て、帰宅できるのはだいたい夜10時ごろという生活パターン。夫ともすれ違いが多くなっていました。
朝から仕事でイベント会場に来ていた日のことです。場内を歩いていたら、急に激しい下腹部痛が!
ひどい生理痛持ちなので、最初は「生理痛かな?」と思いましたが、よく考えると生理は1週間前に終わったばかり。ただ、ハードワークのせいで生理周期に乱れがあり、「また生理がきたってこともあり得るかも」と、痛みを我慢して普段通りに仕事を続けました。すると、今度は貧血で立ち上がれなくなってしまって……。同行していた先輩男性に事情を説明し、しばらく座って休んでいたら貧血もマシになったので、「やっぱり生理なんだ」と判断したのです。
ようやく仕事が終わって家に帰れたのは夜9時ごろ。結局その日は何度か貧血で立ち上がれなくなり、腹痛も治まらないまま。それでも「寝れば治るかな」と安易に考えていつも通りに就寝したら、翌朝起きてビックリ! 下着に鮮血がついていたのです! 「これはいつもの生理じゃない!」と直感した私は、すぐに近くの婦人科を受診することにしました。
婦人科の医師からまさかのひと言!
診察を終えて医師に告げられたのは、「子宮外妊娠の恐れがある」という思いもよらぬものでした。医師には「一定の割合で自然に起こってしまうことなので誰のせいでもないよ」と言われましたが、始まりかけていた生命が自分の中でなくなってしまったという事実がショックで、すでに仕事で出かけていた夫に泣きながら電話。病院まできてもらいました。
その後、すぐ大学病院に救急搬送されて、その日のうちに緊急手術。執刀医には「卵管がふさがる可能性もあるので今後の妊娠に影響があるかもしれない」と言われました。また、生理が終わった1週間後に急激な腹痛に襲われたことについては、医師も「妊娠反応が弱すぎて生理が止まらなかったのかな?」と、不思議そうにしていて、原因は結局のところ不明でした。
2週間ほど続いた入院生活は、産婦人科病棟ということもあって、赤ちゃんの泣き声が聞こえてくる環境。子宮外妊娠は割とよく起こることらしいし、もっとつらい思いをしている人はたくさんいるとわかっていても、このときの私は「なんで私だけ……」と、赤ちゃんの泣き声を聞きながら悲しい気持ちでいっぱいでした。
これをきっかけに「仕事の忙しさも原因の1つでは……?」と考えた私。科学的根拠はありませんが、営業職を嫌に思っていたことと、夫からの要望もあり、拘束時間の短い管理部門への移動を願い出ました。
その後、少し経ってから始めた不妊治療のおかげもあり、28歳で第一子を出産。31歳のときに会社を辞め、退社から半年経ったころになんと自然妊娠し、32歳で第二子を出産しました! 子宮外妊娠で手術をしてから7年後のことです。
当時、卵管がふさがる可能性を指摘されましたが、ふさがってはいないものの細くはなっており、不妊治療の専門医からも「自然妊娠確率は1%以下」と言われていました。そのため、第二子はあきらめ、3人での人生を楽しもうと思っていた矢先の自然妊娠だったので、先生も「奇跡だね~」とおっしゃったほど!
振り返ってみると、「あのころ、何をそんなにムキになって仕事をしていたのか……」と思います。仕事なら自分の代わりはいるけど、自分の体に代わりはいません! そして、会社を辞めてすぐに自然妊娠したことから、当時の激務が与える心身へのダメージの大きさを感じました。今は会社勤めをせず、業務委託という形で忙しさによるストレスから解放され、家庭と仕事をいい塩梅で両立させています!
監修/助産師REIKO
文/紺野 美穂さん
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