鳥野さんの胎盤はもろくなっていて、吸引による処置がおこなわれていたのです。助産師さんが鳥野さんの胎盤について説明してくれました……。
こうしてパパとママになりました
※手術後、子宮を押す行為をおこなうかどうかは、施設の判断により異なります。
突然の破水から、緊急帝王切開となった鳥野さん。無事に赤ちゃんが生まれました。しかし、胎盤は満身創痍(まんしんそうい)でした。つまり、傷だらけの状態です。助産師さんに、「この胎盤の状態でよくここまでもったという感じよ。赤ちゃんは頑張った。今日陣痛がきたのもきっと赤ちゃんが危険を知らせてくれたんじゃないかしら?」と言われ、じーんとくる鳥野さん。
妊娠・出産が奇跡の連続であることを実感します。
そして
「おめでとうございます」
助産師さんたちのこの言葉を喜ぶ鳥野さん。早く生まれてしまったらお祝いの言葉をかけてもらえないと思っていたのです。
そこへ旦那さんが病室へやってきました。赤ちゃんの状況をNICUに行ってお話を聞いてきたと言います。
「24時間の壁」「3日目の壁」「1週間の壁」
これらを乗り越えたら急変する確率はグッと下がってひとまず安心できるということ、そして24時間の壁は大丈夫だろうとの見解を聞き、ホッとした鳥野さん。
旦那さんに言いました。
「色々あったけど無事に産まれてよかったねー。やっとパパとママになれたね」
「……。」
後ろを向いて涙を拭く旦那さん。
鳥野さん夫婦は、不妊治療や流産や切迫早産など、いろいろなことがありました。
それらを乗り越え、とうとう、2人はパパとママになったのでした―。
◇ ◇ ◇
こうしてパパとママになった鳥野さんご夫婦。体験者にしかわからない苦労がきっと大きかったと思います。ここまでいろいろなことを一緒に乗り越えてその苦労をわかちあってきたお2人。きっと、これからの子育ても、互いに助け合い、協力し合って素敵なパパとママになるにちがいありませんね。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/助産師REIKO
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