私だけじゃなかった…
幼稚園のころから会食恐怖症に悩まされてきたPさん。きっかけはささいな出来事でした。しかし、小学校では給食、中学校ではお弁当の時間があり、毎日が苦痛でたまりません。
休日、友だちと入ったお店でも口にできたのはジュースやスープのみ。ひどいときはお店に入ることすらできませんでした。
しかし、修学旅行で3、4日食事がまともにとれなかったPさんが思い切って先生に相談すると、先生は別室を用意し、Pさんのために食事を運んできてくれました。
「ここでゆっくり食べたらいいからね」
スクールカウンセラーのカウンセリングも始まり、少しずつ周囲が理解を示してくれるようにー。症状はなかなか改善しなかったものの、つらい経験から、少しずつ自分なりの会食恐怖症とのつきあい方を身に着けていきました。
大きかったのは「会食恐怖症」の名前を知ったこと。自分だけじゃないと知り、救われた気がしたと言います。
その後、Pさんは、「自分と同じように悩む子が1人でも減ってほしい」という想いから保育士に。つらい給食時間は園の理解のもと、次第に緊張がとけていきます。
今も完全に克服できたわけではなく、不安を抱えているPさん。
同じように悩む人とラクになるヒントをシェアし合うことを願っているそうです。
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給食に感じていた緊張がほぐれていったPさん。悩んでいる人が相談できるように、「会食恐怖症」について多くの人が知り、理解を深めておくことが大切なのかもしれませんね。