歩いて行けそう…だと思った
一緒に暮らし始めて間もないある休日、夫が「ここのラーメン屋さんに行ってみよう」と提案してくれました。ラーメンが大好きな私はウキウキで快諾! 行き方を調べながら「ちょっと遠いけれど歩いて行けそう」と言う夫に、方向音痴な私は特に地図を見ることもなく、ついて行けば大丈夫だろうと夫に任せっきり。
私自身も歩くのは好きなほうですし、「いいお天気だし、たくさん歩けばラーメンもよりおいしく食べられるね」と呑気に考えていました。
歩いても歩いても
たわいもない話をしながら歩いていると、あっという間に隣駅に。しかし、夫はまだまだ先へ進んでいきます。「あとどれくらいで着く?」と尋ねると「まだ半分も来てないよ」とのこと。スニーカーで来てよかったと、このときの私にはまだ余裕がありました。
それから、歩いても歩いてもまったくお店に着く気配がありません! 季節は初夏、暑いし足も疲れてきました。どんどん周りの景色が畑だらけになってきて、バス停さえも見当たらなくなってきたころ……「今で半分くらいだよ」とまだまだ元気そうな夫に言われたときには「やっと着くぞー!」といううれしさよりも「もう引き返せない」という感情でした。
歩いた距離は…なんと!?
なんとか無事に目的のお店に到着し、おいしいラーメンに幸せを感じた……のも束の間のことでした。当然歩いて帰るつもりの夫。「またこの道のりを歩くのか……」と気が重くなりましたが、帰りは見たことがある景色のなかを歩いたおかげか行き道よりは近く感じ、それだけが救いでした。
後で調べてみると家からラーメン屋さんまでの距離は7.5km、往復で15km歩いていました。
ちょっと散歩がてらラーメン食べに行こうっていう距離じゃないよー! とはいえ、少し遠いとは聞いていたものの、2〜3kmくらいかなと思っていた私が悪いのか?
と、ちゃんと確認しなかった私は夫に文句を言うことはできませんでしたが、夫の「歩いて行けるよ」は信用しないと心に決めました。
その後「あのラーメン屋さん、歩いていくには結構遠かったね」と言ってみましたが、夫が言うには「暑かったもんね、でも全然行けるね!」だそうです。徒歩で行ける距離の認識に個人差があることを思い知りました。家族で歩いて出かけるのは、休日の楽しみな過ごし方の1つですが、夫が「歩いて行けるよ」と言ったときにも、必ず自分でも距離と所要時間を確認するようにしています。
著者/大岡むぎ
イラスト/おんたま
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