孤育て
2歳になった息子は行動範囲も広がり、お家遊びだけでは限界がありました。息子にはさまざま経験をさせてあげたいという思いもあり、毎日2人で外へ出かけていました。日曜日や祝日になると、近くの広場では子ども向けのイベントなどが開催され、家族連れで大賑わい。私も息子になにか体験させてあげようと、イベントの列に並びました。
しかし、好奇心旺盛な息子はじっとしていられません。あと少しで順番といったところで走りだしてしまい、泣く泣くあきらめるということも多々ありました。また平日よりも人が多いため、私はいつも以上に気も張っていました。荷物を抱えながら、息子のあとを追いかけることは体力的にもとてもつらかったです。
孤独を感じる日曜日
へとへとになりながらふと周りを見渡すと、平日には見かけないパパさんばかり。途中で動き出す子どもの代わりに、イベントの列に並んでいるのもパパさん。「私たちもパパがいてくれたらな」と思ってしまうことがよくありました。
日曜日に公園に出かけたときもパパさんがたくさんいます。「わが家は仕事なのだから仕方がない」とわかっていても、私はいつも以上に他の家族がうらやましくなり、寂しさを感じてしまいました。
平日との違い
夫がいない孤独感や大変さは、日曜日だけに感じていたわけではありません。しかし、平日の公園には私と同じような子ども連れのママさんばかりでした。そのせいか「大変だけれどみんなも同じだ」と思え励まされることもありました。
しかし、日曜日の外出は「息子のために外に出なくちゃいけない」と思うものの、精神的にも体力的にもつらいなと感じてしまいました。そして私は、日曜日がだんだん嫌いになっていきました。
私は頑張っている
息子に対して、「こんなにも弱くてだめな母親でごめんね」と思えてきました。しかし、そんな私にニコニコと笑いかけてくる息子を見ているうちに、ふと思ったのです。
「私だめな母親か? そんなことはない。頑張っていることだってたくさんある」。平日雨の日以外は、外に出てたくさん遊んでいるのだから、日曜日くらい外出をお休みしてもいいのではないか? イベントがあるときは、自分の体力に余裕があるときだけでもいいのではないか?と思えてきました。そして、いつもなら夕飯の支度をする時間に散歩へ出かけることで、違った景色を息子に見せることができたのです。
私は息子がかわいいが故に、「こうしなくてはいけない」と思いがちなところがありました。しかし、その考えをやめてみることで心に余裕が出て、息子にもいつもとは違った体験をさせてあげることができたと思います。「一番つらいと感じる日曜日は無理して外出しない」これが私の選択でした。
イラストレーター/まっふ
著者:山下亜衣
10歳と7歳のサッカー小僧の母。子どもたちを応援するため、アスリートフードマイスターを取得。転勤族で現在は地方での生活を満喫中。趣味はキャンプ。