現在妊娠・出産・子育てをする多くのママたちが直面している「孤育て(孤独な子育て)」。ベビーカレンダーでは、新型コロナウイルス流行により人と関わることができず、各家庭だけで子どもと向き合う子育てを強いられ、閉塞感や孤独感を抱えながら子育てをしている、今の子育ての実態を特集でご紹介します。
初めての“孤育て”
息子は妊娠36週で生まれた早産児でした。出産時の体重も2,200g程度の低出生体重児で、小さい息子の姿を見て「私のせいで小さく産んでしまってごめんね……ちゃんと大きく育てなければ」と決意。
しかし、私の実家は遠方だったため頼ることはできず、夫は激務で朝早く出勤し、帰りは0時を回ることもざらだったため、「とにかく私が頑張ろう!」と家事や育児をひとりでおこなっていました。このころの私は、あまり育児用ミルクを飲まない息子に何度も授乳をし、体重を測っては「早く標準体重にさせなきゃ」と自分を追い詰める毎日でした。
誰にも悩みを打ち明けられない
育児について相談する相手もあまりいなかったので、子育て広場に行ってみたりしましたが、もともと人見知りの私は他のママたちに話しかけられず、結局行かなくなりました。そして育児の悩みをネットで検索しては、「私の育児はこれで合っているんだろうか?」と不安になったり落ち込んだり……。
泣いてばかりの息子に対しどうしたらいいのかわからない、私は母親に向いていないと感じるようになり、そのころの私は食欲もわかず体重は産前に比べ5kg以上も減少していました。
夫に相談しようと思いましたが、向こうが仕事を頑張っているのに私だけ弱音を吐けないと、ぐっと我慢し続けていたのです。
心療内科で診断されたのは…
そして息子が1歳を過ぎたころ、ワンオペ育児によるストレスからか、私は産後うつと診断されました。泣きながら夫に、産後うつになってしまったことや、育児がつらいことを告げると、「今までつらい思いをしていたのを気づけずにごめんね。これからは俺ももっと育児するようにする」と言ってくれました。
そして夫は給料は下がってもいいからと、会社に出勤体制を変えてもらうようお願いしたのです。その後、夫に息子を見てもらっている間に私はとにかく寝たり、自分だけの時間を作るようにした結果、1年後にはだいぶ体調も良くなっていきました。
今では息子も5歳を過ぎ、あまり手がかからなくなったこともあり、私の体調も元通りになりました。あのときはとにかく自分で何とかしなくてはと、頑張り過ぎていたと思います。あとはもっと早く、孤育てがつらいことを夫に相談しておけばよかったな、と心から思いました。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。
監修/助産師REIKO
著者:小野 美穂
5歳の幼稚園男児のママ。乳児期に産後うつになり、治療をおこなう。現在は趣味のイラストを活かした仕事をしている。