指輪よりも欲しかったもの
かなりの現実主義でハイブランドなどにも興味のない私は正直、高価な指輪の必要性について疑問に思っていました。また、コロナ禍で共に減給となり、新生活を始めるにあたり出費がかさむことを心配していたので、夫に「指輪はいらないから、少し良い洗濯機を買わない?」と提案。
私の提案に夫はかなり驚いており、「うん」とは言わず、この件については一旦保留となりました。
夫から言われたことは…
しばらくして夫から、「夫婦の証として、またこれから新しい生活を始める決意として結婚指輪は購入したい」と言われました。
私としては、これから始まる生活に、楽しみよりも心配のほうが大きかったのですが、夫の結婚に対するポジティブな意見に感化され、指輪購入を検討することに。まずは見に行ってみようということになり、休日にジュエリーショップへ行くことにしました。
そして、1日で数店舗を見て回る中で、私は最初に入ったお店で見た指輪の輝きが忘れられなくなってしまったのです。再度そのお店に行き、結局購入することになりました。
最初は、購入に対しては後ろ向きで「気に入ったものがなければ買わない」とも思っていた私ですが、いざキラキラとしたきれいな指輪を目の前にすると胸が高鳴ってしまったのです。
婚約指輪はなしに
結婚指輪を見ていると、その隣でキラキラと輝く婚約指輪ももちろん目に留まりました。SNS上で、友人や芸能人などの結婚報告でもよく見る豪華できれいな婚約指輪。
現物を見てあまりのきれいさに一瞬心が揺れ動きそうになりましたが、結婚指輪の購入を決めたこともあり「婚約指輪は買わない」と踏みとどまりました。後に友人などから「せっかくの機会なのに本当にそれでいいのか」と問われましたが、夫とも、結婚指輪を購入したから婚約指輪はなしにしようと話し合って決めたのです。
結婚指輪を購入した私たち。しかし、やはりお互いの生活のために「洗濯機も欲しいよね」となり、次の休みの日に家電屋に行き、「欲しい」と提案していた洗濯機も購入することにしました。
指輪に関していろいろな価値観がある中で、私たち夫婦は婚約指輪を買わず結婚指輪のみという選択をしました。婚約指輪は仕事上、普段身に付けることができないため、個人的にはいい選択だったのではないかと思っています。代わりとは言いませんが新しい「婚約洗濯機」を迎え入れることができたので、日々洗濯するたびに夫のことを思い出し、私的には満足しています。
著者/みどりここな
イラスト/マメ美
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