手術当日、ずっと我慢していた思いが溢れ出して…
黄色の手術着に着替え、本番の緊張を感じとった娘を抱っこしながら手術室まで行くことに。
向かうまでの間に手術が終わったら映画や、行きたがっていたテーマパークも行こうなど、声をかけながら手術室の扉の向こうに一緒に入りました。
名前を確認し医療用のキャップをつけ手術台に上がった途端、あっという間に心電図や血圧、酸素測定器を指につけられ、「麻酔をかけます」と声をかけられました。
それまで静かに様子を見ていた娘が私の腕をつかみ、大粒の涙をぽろぽろと流して思いのたけを訴えました。
思わずつられて泣きそうになるのをこらえて、娘のおでこをなでながら「大丈夫だよ、眠くなるだけだよ、大丈夫」と声をかけて必死になだめました。
麻酔が効いたところを見送ると、看護師さんに促され手術室を出ました。
修正手術をすると決まったときから、不安な気持ちを本当にギリギリまで我慢して、
ようやく悲痛な思いを訴えたのだろうと思うと、とても胸が締め付けられました。
病院のみなさんを信頼している今、以前よりも私もずいぶん落ち着いていられるようにもなりましたが、手術の程度に関わらず娘を見送る瞬間は何度経験しても理屈では割り切れない感情にかられます。
未知の不安に直面するギリギリまで我慢していた娘の悲痛な思いをしっかりと受け止め、娘が戻ったあとしっかりサポートできるようにと自分を奮い立たせて、娘の帰りを待ちました。
2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/助産師REIKO