手術を終え、戻ってきた娘から本音が飛び出して…
レチナを鼻に縫い付けた状態で、それまでキョトンとしていた娘が私を見つけると、娘の目から涙が一気に溢れ、手を伸ばしました。
ストレッチャーからHCUのベッドへ移動すると、私に抱き着いてすぐに口から真っ赤な分泌液を口から吐き出します。
15分ごとに様子を見に来る看護師さんに怯えていたくぴこ。
だんだん麻酔が切れてくると、処置による発熱、定期的に吐き出される血の混じる唾液や、気持ち悪さ、点滴などこの状況に対する怒りや理不尽さを強く感じ、涙をたくさん流しながら泣きじゃくりました。
少し暴れそうなところをしっかりと抱きしめ、今まで抑え込んでいたくぴこの本音をただただ聞き入れます。
今回の手術がこれまでのなかでも安全性が高いとはいえど、どんなに説明を受けて本人になりに一生懸命理解しようと努めても、実際身に起こったことのショックは周りが思うよりも、本人にとってはどうしようもなくつらいことなんだと強く感じました。
これから何度この光景を見るのだろう……。
そして口唇口蓋裂の治療が続く限り、娘もこんな思いを繰り返していくのだろうと思うと、親として胸が痛くなります。
今まで言葉にならなかった娘の病気に対する心からの思いを聞き、せめて親として娘のこの悲痛な思いを受け止めていかなくてはと強く思いました。
2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/助産師REIKO