かわいい夏服に大満足だったけど…
制服が指定されていた高校時代と違い、大学は私服での通学。私は毎日張り切っておしゃれをして大学へ通っていました。夏服に衣替えをすると、特に気合十分! フェミニンな服装が大好きだった私はレースやチュールなど、ひらひらした素材の使われた服を着ることが多く、毎年夏服を着るのが楽しみだったのです。
大学3年生の夏、アルバイトを頑張って、お気に入りのブランドで白くてかわいいワンピースを買いました。フレンチスリーブで胸元と裾にたっぷりレースがついているワンピース。友だちに見せたくて、さっそく学校に着て行くことに。
教室に入ってすぐ、「かわいいね!」「白が夏っぽいね!」と褒めてもらい、私は大満足。その後の講義もご機嫌で受講しました。
しかし、2時間目が終わり、ランチに行こうと立ち上がった瞬間、おしりのあたりに違和感が。「あれ……?」と思っていると、横から友だちの「きゃー! リツカ!」という声が聞こえたのです。
真っ白なスカートに真っ赤なシミが!
友だちの声を聞いても、私は最初何が起こっているのかまったくわかりませんでした。困った顔をしていると、友だちが「スカート! 血がついてる!」と教えてくれ、「血? なぜ? ケガでもした?」とスカートの後ろを見ると……おしりのあたりに真っ赤なシミが!
そこで、私はやっと「あ! 生理だ!」と気づきました。
予定日まではまだ先だったのですが、生理がきてしまったのです。
教授のカーディガンと友だちのガードでお店へ
生理用品を持ち歩いていたのでナプキンをつけることはできましたが、困ったのはワンピースです。トイレで染み抜きをしても汚れを落としきることはできず、夏だったのでアウターも持っていなくて、隠すこともできません。
汚れの残ったワンピースを着たまま座席で途方にくれていると、女性の教授が異変に気づいたのか「どうしたの?」と声をかけてくれました。
私は半泣きになりながら教授に理由を説明をすると、教授は羽織っていた黒のロングカーディガンをサッと脱ぎ、私に差し出してくれ……「これを貸してあげる。腰に巻いて、新しいスカートを買ってきなさい」と言ってくれたのです。
その様子を見ていた友だちも私を励ましてくれました。私は教授の貸してくれた黒いカーディガンを腰に巻き、友だちに周りをガードしてもらいながら、無事に下着と洋服を買うことができました。このときはシミの目立たない黒のワンピースにしました。
教授にカーディガンを返しに行き、下着と洋服を買えたことを話すと「よかった。私も昔、経血モレを経験したことがあるから、助けてあげたかったの。びっくりしたよね」と微笑んでくれました。
教授と友だちの機転で、私はその後も無事、講義を受けることができました。この経験から、「夏の白くて生地の薄いワンピースはとてもかわいいけれど、急に生理がきてしまうこともあるから気をつけよう」と思うようになりました。
また、白い洋服を着るときは体調に注意し、黒い羽織り物を持って出かけることにしています。そして、誰かが困っているときは、私も教授や友だちと同じようにその人を手助けできるようになりたいと思った経験でもありました。
著者/支倉律花
作画/ちゃこ
監修/助産師REIKO
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!