朝の処置で大暴れする娘。先生からある提案をされて…
ご褒美による効果もあって、その後は着実に体調を回復しつつあったくぴこ。
吐き出すショックも乗り越え、ごはんもしっかり食べ、笑顔をたくさん見せてくれるようになりました。
しかし、唯一朝の処置だけはそうはいかず……。
鼻に縫い付けている糸の周りをただ洗浄するだけでも、首を振って怖がり、しまいには足を投げ出して、体ごと暴れ出すという事態に……。
私やスタッフさんに抑えられながら、ようやく終えるといった繰り返しでした。
術後4日目が過ぎると、いよいよ鼻に縫い付けているレチナ(※1)の抜糸処置が迫っているのですが、この状況では難しく、先生からこう提案されました。
(※)レチナ:鼻の形を維持する目的で使用するシリコン製の装具。
毎回涙も汗もたくさんかきながら、激しく拒絶して暴れる娘の姿を見ると、処置室での抜糸処置は暴れて怪我をしそうで、実は心配をしていた私。
それは先生も同じだったようで、麻酔によってくぴこちゃんが眠っている間に、手早く処置したほうが本人も怖い思いをせずに済むし、そのほうが安全だと言ってくださいました。
しかし、ここで問題が……!
娘に伝えたところ、案の定猛烈に拒否!
激しくハッキリと拒否されてしまったのです。
しかし、5分足らずの鼻周辺の洗浄が我慢できない娘が、10分程度の抜糸処置に耐えられるとは思えません。
内容がどうであれ、「手術が怖い」という娘の意見にも同意しながら、私は持参した娘の落書き帳を使い、退院が1日伸びても手術室での抜糸が娘にとって、どうメリットがあるのかなどを絵に描いたりして、できるだけわかりやすく説明しました。
すると、しぶしぶといった感じで、少しずつ納得していく様子を見せてくれるように……!
こうして治療について一緒に考えることができるようになったんだなと、改めて娘の成長をしみじみ感じました。
それと同時に、説明のときに「修正手術のときより怖くない」と書いた部分が、どうしても引っかかったらしく、ここだけは真剣な顔で、「ママ怖いものは怖いからね! これは直して!」と、強く訴えてきたので、その姿にもたくましい成長を感じて、修正をしました。
小さいころは手術のことも抜糸などの処置も怖がらせないように、ごまかしながらおこないましたが、成長とともにいろいろとわかってきたことで、もうごまかしは通用しないのだなと思いました。
また、処置の説明は訳もわからず、納得できない状況よりも、本人の心の準備など受け入れできる体制づくりのためにも、娘が理解できるようにおこなうことが大切だと強く実感。
さらに、手術や処置がどれだけ必要なものであっても、娘の本心をしっかり聞き、その気持ちを否定せず、本人が納得して受けられるようにすることも大事だなと思いました。
2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/助産師REIKO