娘を見送り、ベンチで処置が終わるのを待っていると…?
術後6日目、安全のため処置室ではなく、手術室で麻酔を使用して抜糸を受けることになったくぴこ。
手術室まで行くと、今回は看護師さんがぬいぐるみを持って気を引いてくれたおかげもあり、泣かずに室内へ入って行きました。
30分ほどで終わると聞いていたので私は病室には戻らず、手術室から下りてくるエレベーターから近い病棟エントランスのベンチで娘の帰りを待つことに。
すると隣から、同じくお子さんの付き添いで入院しているというお母さんが、声をかけてくれました。
そのお母さんのお子さんも口唇口蓋裂でわが家と同じく、赤ちゃんのころから口唇口蓋裂の修正手術を乗り越えたとのこと。
さらに、今回2回目の口蓋裂手術を受けたばかりと聞いて、思わずビックリ!!
前回の口蓋裂手術のときに担当の先生から、くぴこは口蓋裂手術を2回に分けておこない、2回目は上顎前方の硬口蓋の部分にある鼻腔と口腔が通じている隙間を塞ぐ手術と、口唇口蓋裂の子の多くは硬口蓋部分の骨が欠損しているため、本人の骨の一部を使い(多くは腸骨部分)、歯茎部分へ移植する手術をおこなうと説明を受けました。
それを聞いたときもかなり驚いたのですが、実際それを終えた当事者の様子は、付き添いの親御さんから見ても想像を以上のものだったようで……
手術自体もさることながら、春休みなどの長期休みの期間は、病院も中高生を優先して手術をおこなううため予約が埋まりやすく、今回の手術のため、娘さんは小学校の春休みも前倒しの形で入院したので、ご本人はそれをとても嫌がったそう。
また、術前術後と付き添いの立場から見ても、2回目の口蓋裂手術は当事者にとって今までの手術とは受ける負担が、身体面にも精神面にもとても大きいように感じたそうです。
小さいころとは違って思春期にもさしかかってきての手術なので、とにかく看病と本人の心のケアをとても気にしていると話してくれました。
5歳になり、物事の理解が赤ちゃんのころとは比べ物にならないくらい進んだ娘にとって、今回比較的簡単なものだと言われていた修正手術ですら、今までの手術以上に気力の回復に時間がかかってしまったことを考えると、教えてもらった2回目の口蓋裂手術に不安な気持ちを感じずにいられませんでした。
2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/助産師REIKO