乱暴される長男と私の気持ち
長男が子ども園に通っていたとき、よく乱暴をしてくるお子さんがいました。長男から「パンチやキックをされた」「体を押された」ということを、入園してから3年間、頻繁に聞かされていました。年長の後半には頻度がますます増え、何事もなかった日は長男が「今日は何もされなかった」と言うほど。
ただ私は、子どもの間ではよくあることだし「何もしていない」とは言うものの、長男にも原因があるかもしれないと思っていました。この状況を先生にお伝えしようかとも考えたのですが、長男がけがをして帰ってくるわけでも、登園を嫌がっているわけでもありません。そのため私は「そんなことで大袈裟だ」と、先生に思われるのが不安で、伝えられずにいました。
私の目の前で……
そんなことが続き、私が気を揉んでいたある日、長男を子ども園に迎えに行ったときに事件が起こってしまったのです。先生に「お迎えだよ」と呼ばれて遊戯室から出てきた長男をその子が追ってきてキックをしました。私はまたかと思い「キックするのやめてね」と軽く注意しました。
しかしその子は何も言わず私の前を通り過ぎ、今度は長男のところに戻ってきて、おなかを下から突き上げるようにグーでパンチをしたのです。私はその光景を目の当たりにし、長男が何度も乱暴されてきたことで積み重なっていた怒りが爆発。そしてこれは止めなくてはと思い、「何やってんの!? 」とその子の手をつかみ、大きな声で怒鳴ってしまいました。
叱ったけれど……
するとその子は「だって◯◯(長男)くんがパンチしてきたんだもん」と言います。しかし、私は迎えに来てから2人の様子をずっと見ていたため、それが嘘だということは明らかでした。嘘をつかれたことにも腹が立ち、私が「◯◯(長男)は何もしてなかったよね。おばちゃん見てたよ。〇〇(長男)は痛がっているよ」とまた強く注意すると、その子は「だって……」と言葉を濁しました。
そうしているうちに先生が駆けつけて来たため、事情を話しその子に注意してもらい、私たちは帰宅。私は帰宅後「叱り過ぎたかな……」「急に大きな声を出したから怖い思いをさせてしまったかも」と思い、きつく叱ってしまったことを反省しました。
元保育士の友だちの言葉
私は次の日、長男を迎えに行ったときに「昨日は怒ってごめんね」とその子に謝りました。するとその子は「え、何が?」と言って立ち去ったのです。私にはその子が気まずくてとぼけているように見え、申し訳ないことをしたな、と反省しました。
それから数カ月後、保育士をしていた友だちと連絡をとっているときにその出来事を思い出し、その友だちにことの経緯を話しました。するとその友だちは「自分の子どもが痛い思いをさせられていたら、私も注意するよ」と言ったのです。もしかすると、友だちは、私を想ってそう言ってくれただけで、実際は私とは違う注意の仕方をするのかもしれません。しかし、その言葉を聞き、他人の子どもを叱ってしまったことを後悔していた私は救われました。
私はこの経験から、危険なことに関しては他人のお子さんであっても注意はしてよいと再認識しました。長男も、私を見て、嫌なことは嫌と言っていいんだ、ということを感じてほしいなと思います。ただし注意するときは、必要以上に強い口調にならないよう、またわが子に原因があるかどうかなどの事実関係の確認を怠らないよう気をつけようと思います。適切な叱り方を実践することが、子どもたちみんなの安全を守ることに繋がればいいなと思っています。
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著者:今岡めい
7歳と4歳の超わんぱく兄弟を育てるママであり、フリーライター。「子育てで一番大切なのは母親が笑顔でいること」「幼児期最大の英才教育は遊びである」をモットーに掲げ、日々テキトー育児を繰り広げている。