空腹に耐えかねて墓地のお供え物を食べたり、他人の家の盛り塩を舐めたりしていたM美さん。満足にごはんを食べられない環境で、「スーパーに行って自分で盗ってこい!」と、お母さんは幼いM美さんへ万引きを命令。逆らえなかったM美さんは、店のものを盗み、生きるために食べていました……。
そんな幼いころのM美さんの家には、たびたび市の職員や児童福祉関係の人が訪れ……?
誰にも助けてもらえず、唯一の逃げ場は…
助けを求めるM美さんが、ほんの少し袖をめくってアザが見えるようにすると……母親にバレて叱られてしまいました。
しかし、アザに気づいた職員が「どうしたの?」と質問。
すると、母親が「体育の授業でぶつけてしまった」と嘘をつき、職員も「そうなんですか」と返事をして、アザの話が終了。職員たちは帰って行きました……。
「ごめんくださーい」
市の職員や、児童福祉関係の人が来るときはいつも、
「いいか!? お前は絶対余計なことを言うなよ!?」
そうお母さんに言わていたM美さん。
人と会うのに、こんなにお酒の臭いがしててもいいのかな……
それに余計なことってなんだろう?
毎日殴られていること?
それとも泥棒させられていること?
「M美ちゃん久しぶりね。生活はどう? 家学校で楽しく過ごせている?」
「……はい」
もしここでアザを見せたらどうなるだろう?
この人たちは食べ物を用意してくれるだろうか?
お母ちゃんに殴られないで済むだろうか……?
M美さんがほんの少し袖をめくってアザが見えるようにすると、母親にバレて叱られてしまいました。
アザに気づいた職員が「どうしたの?」と聞いてくれたものの、母親が学校でぶつけたと嘘をつき、職員も追求することなくアザの話は終了。職員たちは帰って行きました……。
「なあお前、あたしのことなめてんの? 何勝手なことしてんの?」
職員が帰ると、M美さんはお母さんから殴られてしまいました……。
さらに、学校ではクラスのみんなにからかわれても、周りの大人や、担任の先生さえ……助けてくれる人は誰もいませんでした。
それでも、給食と唯一の逃げ場である図書館で読書することを楽しみに通学していたM美さん。
もし誰かが助けてくれたら、私もいつか本の世界のようにきれいなドレスを着て、おいしいものをおなかいっぱい食べられる……そう思っていました。
しかし、現実はそう甘くありませんでした。
M美さんの期待はやがて絶望、そして諦めに変わってしまうのでした……。
「余計なことを言うな」とお母さんに釘を刺されていたM美さん。それでも一縷の望みをかけ、毎日殴られてできたアザを見せてSOSを出しましたが、結局助けてもらうどころか、お母さんにボコボコにされてしまいました……。こうなると「また勇気を出して大人に助けを求めよう」とは思えないですよね。
周りの大人や担任の先生も助けてくれなかった……そんな過去がM美さんの人格形成に影響しているのかもしれませんね。