最初はやさしくて好印象だった彼
私が婚活で出会ったAさんは、大きな体でニコニコした笑顔が印象的。やさしい熊さんのような男性でした。約束の時間より前に店に来て待っていた私に対して、「待たせてしまってすみません」とひと言かけてくれて、気づかいがじょうずな方だと感じました。
婚活という状況下のため、やや緊張しているのは伝わってくるけれど、私にとてもやさしく接してくれて、初めて会ったときの彼は好印象でした。
2回目のデートで彼の本性が露わに
2回目は、レストランで食事デートをすることにした私たち。待ち合わせ場所からレストランまで歩く道中も、Aさんとの会話は弾み、私の話に適宜相槌をうってくれる彼の態度にやさしさを感じていました。
ところが、店に着いて店員さんが「メニューをお持ちしました」と言ったとき、Aさんの声のトーンが急に低くなり「ああ」と冷たいひと言を放ちました。私は心の中で「?」と疑問符を浮かべました。「ん? 今の聞き間違いかな? 声の感じが全然違った気が……」
そして、次に料理が運ばれてきて「お待たせしました。本日のランチです」と店員さんに言われた際も、彼はシラッとした目をして「そう」とひと言だけ。
こ、怖い! 私は確信しました。「この人、私にはやさしいけれど、店員さんにはめっちゃ冷たいタイプだ!」
「ありがとう」は私にとってすごく大事
2回目のデートが終わったあと、私は悩みました。Aさんは、私のことをとても気に入ってくれていると感じる。結婚相手としては良い感じのお相手。けれど、店員さんが何かをしてくれた場面で「ありがとう」を言わない人と、これからうまくやっていけるのか? 私は、誰かに何かをしてもらったときにちゃんと「ありがとう」を言いたいし、パートナーにも言ってほしい、と思っていました。
自分の気持ちを整理した結果、私はAさんとの交際を終了することにしました。人によっては全然気にならないポイントかもしれません。でも、私は「ありがとう」のタイミングや温度感が自分と合っている人と結婚したい、と思ったのです。
私にはとてもやさしくても、店員さんにはお礼も言わず冷たい態度だったAさん。彼とのデートで私は、自分にとって「ありがとう」がとても大切なものだと気付かされました。その後、誰に対しても「ありがとう」を気持ち良く言える今の夫に出会い、結婚しました。夫と一緒に「ありがとう」を言うたび、この人と結婚できて幸せだと感じています。
著者/ココロナナコ
作画/霜月いく
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