そのため、毒親マンガを読んだときも、「何が悪いのかわからない」という感想を言ったのでした。
さらにお兄ちゃんと会話した最後の思い出は、小学校のころM美さんの作文がコンテストで金賞に選ばれたときのこと。初めての賞状に喜び、お母さんに見せて褒めてもらいたくて急いで帰宅したのですが、お兄ちゃんしかいなくて……?
兄のひと言で最悪の事態に…!?
「ほら、こんなキラキラの紙、見たことないでしょ!? クラスで1人だけだったんだよ!」
意気揚々と話すM美さんを、憎らしそうに眺めるお兄ちゃん。
そこへお母さんが帰ってきました。
M美さんが賞状を見せようとすると……
「M美がさーウザいんだよ。こいつさー自慢して俺のことバカにすんの。ウゼーわ」
お兄ちゃんの言葉を聞いて、M美さんにキレるお母さん。
M美さんが弁解しようとすると……
「M美のくせに! それ貸せよ」
M美さんが初めてもらった賞状は、お兄ちゃんによってビリビリに破かれてしまいました……。
逆らわない、抵抗しない、感情をストップする。
何も考えない、悲しくない(と思い込む)、時間が過ぎるのを待つ……。
それはM美さんが身を守る唯一の方法でした。
お兄ちゃんは賞状を破いて気が晴れたのですが、お母さんは「お兄ちゃんをバカにした罰を与える」と言って、M美さんを折檻……。
話を聞いたパパが、「なぜそんなことに! なぜそこまで自分の子どもに暴力をふるえるんだ」と涙を流すと……?
M美さんが受賞を喜んで報告したのが面白くなかったのか、お兄ちゃんには賞状を破かれ、お母さんからは虐待を受け、初めての受賞が嫌な思い出になってしまいました。幼いM美さんが学んだ身を守る方法は、何も考えず時間が過ぎるのを待つこと……。虐待を受けて育つと、そういった思考回路になってしまうのかもしれません。そして、M美さんの辛い過去がどんどんわかって、涙を流すパパ……。M美さんがこれまでしてきたパパへの裏切り行為をなかったことにはできませんが、M美さんの過去を知ったことで未来がいい方向へ変わるといいですね。