回覧板を持ってきた隣人
ある日、家のインターホンが鳴ったので出ると、隣に住むおばさんが「はい!」と回覧板を渡してくれました。いつもはポストに入れてくれる回覧板をわざわざ持ってきてくれたおばさんに疑問を感じつつ、「ありがとうございましたー」と扉を閉めようとすると、「あのね!」とおばさんが話し始めました。
何か話したいことがあったのかと合点がいき、耳を傾けたのですが……。おばさんは私が会ったこともないおばさんの孫の自慢話を、ものすごい勢いで話し始めたのです! しかもこの話、まったく終わる気配がありません。
長い話にぐずりだす子どもたち
このとき私は1歳の息子を抱っこし、4歳の娘はリビングでテレビを見ていました。しかしなかなか帰ってこない私が気になったのか、娘が玄関まで「ママー」と出てきました。おばさんは「あら、こんにちは、それでね……」と娘へ軽くあいさつして自分の話を続けます。おばさんの長い話を退屈そうに聞く娘。
やがてずっと抱っこされていた息子もぐずりだし、娘も「ママ、まだ? 遊ぼうよ~!」と言い始めました。これはいいタイミングだと思った私。すかさず「すみません、子どもたちが限界なので、今日は失礼してもいいですか?」と暴れる息子を抑えながら、おばさんの話を遮りました。
余計なひと言に思わずイラッ!
話を遮られたおばさんは、「え? 今の人はYouTubeとかで子どものご機嫌とってるでしょ。あなたももっと要領よく子育てしなさいよ」とガハハと笑い、私の肩をバシバシと叩いたのです! あまりの力強さによろけ、おばさんの発言に驚く私。
そして「まぁいいわ」と言って、まだ話したそうな顔のまま帰っていきました。嵐のように去っていったおばさん。最後の言葉には開いた口がふさがらず、「突然押しかけてきてお構いなしに自分の話をする人のために、要領よく使う動画なんかあるか!」と叫びたい気持ちでいっぱいになりました。
おばさんとしてはとにかく誰かに聞いてほしい話で、ちょうど良いタイミングで回覧板が手元に来たのだと思います。しかし、こちらは小さい子どもを待たせた状態での対応。余裕をもっておばさんの話を聞く時間はなく、ついイラッとしてしまいました。次に同じことがあったら、子どもたちのためにももっと早くに話を切り上げて、おばさんのペースに巻き込まれないようにしようと思いました。
著者:山口花
田舎で1女1男を育てる母。コーチングの資格を子育てに生かしながら日々奮闘中。主に妊娠・出産・教育の記事を執筆している。