パパからも、話を聞いてもらっている毒親マンガの作者からも、その考えはおかしい、“悪いのは理不尽な暴力を振るう親だ”と指摘されました。
さらに毒親マンガの作者から、「お母さんが目の前の椅子に座っているイメージをして……」と言われ、M美さんは……?
想像する母に怯え、怒り…
「大丈夫ですよ。リラックスして呼吸を整えましょう。では、そこにいるお母さんに声をかけてみましょう。何を言ってもいいですよ」
毒親マンガの作者の指示で、イメージするお母さんへ話しかけるM美さん。
「お、お母ちゃん……お久しぶりです。お、お、お、お元気ですか……?」
何もないはずなのに、M美さんは話しかけることに緊張しています。
「小さいころのことを思い出しました。それで私は自分で自分の記憶に蓋をしていたことに気がついたんです」
「あなたがかわいがっていたお兄ちゃんは、今どうしているんでしょうね。お母ちゃん、どうして私はお兄ちゃんと同じ愛情を貰えなかったのでしょうか?」
M美さんはビクビクしながらイメージするお母さんへ話しかけました。
「はいM美さん、とてもいいですよ。では次はあなたがその座椅子に座って、お母さんの代わりに返事をしてください」
この指示にはM美さんも驚きが隠せません。
「え!? 私が母の気持ちを!? でも母と私は違う人間ですよ。そんなの無理……」
「もちろん想像でいいんですよ。“お母さんなら何て言うか”でいいんです」
そう言われ、M美さんがお母さんのように座椅子へ座ると……
「あーあーごちゃごちゃうるせえなこのクズ! お前を妊娠して父ちゃんが出てったんだ。全部お前のせいじゃねーか!」
お母さんの気持ちになって怒鳴るM美さん。
すると毒親マンガの作者は……
「今どんなかお感情が心の中におありでしょう?」
M美さんがなりきるお母さんへ質問を投げかけました。
「憎悪……怒り……裏切られた……絶望……現実から逃げたい。私から旦那を奪ったM美が憎い。どうしてもかわいいと思えない」
イメージしたお母さんで答えたM美さん。
すると、毒親マンガの作者は次に別の場所・違う視点でM美さんがお母さんを見るように指示しました。
「憐れで弱い人……寂しさや自分の弱さに負けてアルコールに逃げた……私を殴ることで憂さ晴らしをして、また酒に溺れる……なんてみっともない人……」
M美さんが客観的にお母さんを見た感想を語ると……?
何もない座椅子へ話しかけるだけなのに、“お母さんがいる”と想像するだけで緊張してしまうM美さん。母親のことがかなりトラウマになっているという深刻さがうかがえます。それでも母親の気持ちになって話すシーンでは、自分の口で「M美が憎い、かわいいと思えない」と言っていて、見ているこちらも辛くなってしまいますね……。