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「まずいな…」帝王切開後に聞こえた医師の会話。まさか私の命が危険にさらされるなんて…!【体験談】

第1子の出産時、私がかかっていた産婦人科は、おじいちゃん先生がひとりでやっている昔ながらの小さな個人病院でした。病室は畳で母子同室、家族宿泊もOK。入院中、夫も一緒に赤ちゃんに関われるところに惹かれて出産を決めたのですが、妊婦健診で逆子を指摘され帝王切開をすることに……。出産って何が起こるかわからない、と思った私の出産エピソードです。

妊婦健診で逆子を指摘

ある日の妊婦健診で、逆子を指摘されました。まだ時間があるので直る可能性もあること、毎日逆子体操(※)をすることなどの指導を先生から受けました。「今日は直っているかな」と思いながら、私は毎回妊婦健診に向かっていました。

 

しかし、妊娠後期になっても逆子は直らず、「この病院では帝王切開はしていないから」と先生に言われ、総合病院への転院をすすめられました。

 

(※)逆子体操の有効性は証明されておらず、近年では逆子体操は推奨されていません。

 

おじいちゃん先生に帝王切開をしてもらいたい

そこで素直に総合病院へ転院すればよかったのに、何かスイッチが入ってしまった私は、「今までお世話になったおじいちゃん先生に赤ちゃんを取り上げてもらいたい。ここで帝王切開をしてもらえないか」と食い下がりました。

 

結果、手術時には総合病院からお手伝いのお医者さんが来てくださって、おじいちゃん先生の病院で帝王切開をすることになりました。

 

 

トイレのドアにおなかをぶつけてしまい……

産休に入り、のんびり過ごしていた私。出産予定日1カ月前のときに、トイレのドアにおなかをぶつけてしまいました。何か液体が流れる感覚がしたと思ったら、破水でした。病院へ電話をかけ、急いでタクシーで向かいました。

 

診察してくれたおじいちゃん先生が「破水だね、帝王切開をするよ」と教えてくれ、慌ただしく手術の準備が始まりました。

 

帝王切開はめったに経験できないんだから!

ベテラン助産師さんが若い助産師さん2人に「いい? よく見ておくのよ? 帝王切開はめったに経験できないんだから!」と話しているのが聞こえ、ちょっと不安になりました。

 

総合病院からお手伝いの先生が来てくださって手術開始。赤ちゃんの誕生まではあっという間でしたが、それからが大変だったのです……。

 

「先生! 血圧が低下しています!」

帝王切開は下半身麻酔なので、周りの音がすべて聞こえます。すると、体がガタガタと震え始め、おじいちゃん先生とお医者さんの「ナントカ(医療用語)だな……」「まずいな……」のような会話が聞こえました。

 

そして「至急、血液センターに電話して、A型の血液2袋!」という声が聞こえたあと、バタバタと行って帰ってきた助産師さんが「今、車が出たばっかりで、早くても到着に1時間かかるそうです!」と言っていました。

 

正直「もういいです、ありがとうございました」と言って家に帰りたかったけれど、まさにまな板の上の鯉状態だったのでそういうわけにもいかず、震えていました。「先生! 血圧が低下しています!」という叫び声も聞こえてきていました。

 

最初は不安になっていた私ですが、思考力が落ちていたので、だんだんと、「あらそうなのね」とぼんやり思うだけになっていました。そしていつの間にか処置は終わっていました。

 

しかし後日、このときの私の上の血圧は60以下だったとわかり、「あのとき命が危なかったんだ……」と無事だったことに感謝しました。

 

昼間までは何の問題もなく生活していたのに、夜には死にかけていた私。出産って本当にどんなことが起こるかわからない、無事に生まれることのありがたさを実感した出来事でした。

 

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

 

監修/助産師 松田玲子


著者:森宮 ふみか

男・女・男の3きょうだいの母。フルタイムで共働きしながら必死に子育てをしていたら、いつの間にか子どもは成長していました。今は手話やアマチュア演劇など、自分時間を満喫中。

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