樋口みみ 日本から台湾へ嫁ぎ、ルイスさんとの台湾での新生活が始まったみみさん。しかし、休日にも平日にもやってくる義母、さらに勉強してきたはずの中国語をうまく使えず買い物すらままならないこと、義母や義姉の行動すべてがカルチャーショックなど、毎日の生活がとてもつらくて……。そんなとき、大切な故郷について、義母に心無い言葉で傷つけられ、命を断とうとすらしたほど、精神的に追い詰められました。最終的にとどまったものの、今度は義姉のガン判明を知らされて――。
※3ヶ国語を記号などで表現しています。（ ）内は英語、赤文字は聞き取れた中国語、記号は聞き取れてない中国語、何もないものは日本語です。
手術を控えた義姉のお見舞いに行ったみみさんですが、体調が悪く、ひどいめまいが続いていました。それを義姉たちが心配してくれたのですが、ルイスさんは「こいつは大丈夫。今は姉さんのほうが大変なんだから」と言います。みみさんは、義姉がおかれている状況も、ルイスさんが言うことは確かに正しいとわかっていましたが、ルイスさんの言い方には傷ついてしまい……。台湾へ嫁いで、一番頼りにしたい人なのに、自分よりも「家族優先」がこの先ずっと続くのかと思うと、愕然としてしまうのでした。
そして後日、手術が無事終わり、義姉との面会。お見舞いに来たみみさんに、義姉は中国語ではなく英語で声をかけてくれるのですが「こういうとき、英語で話すのはつらいわね」と言います。それを聞いた、義姉の娘シャオメイちゃんが、みみさんに向かって「中国語、しゃべって」とひと言。このひと言で、みみさんはハッとしました。自分は、英語を話してくれるやさしさに甘えていたんだということを――。シャオメイちゃんのひと言がきっかけで、みみさんは大きく変わっていくのです。
みみさんは、「この言葉がなければ、今ここにいなかっただろう」と言うほど、このシャオメイちゃんのひと言が大きな人生の転機になります。進学先や就職先の選択、友人・結婚相手など人生において大切な人との出会いなど、人生には転機となることがいくつかあり、その選択にあたっては「きっかけ」になるものがあるでしょう。そして、そのきっかけは、何気ない日常にあるのかもしれません。
あなたにとって、今の自分に導いた「人生の選択」はどんなことですか？ そして、それはどんなきっかけでしたか？
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