パパが「“自分なんか”と卑下しないで」とやさしく気遣ってくれましたが、それは夢でした……。義母が無事に到着し、医師から言われたのは「今夜が山」という信じがたい言葉。さらに、手術を終えたパパが病室へ運ばれるのに、手を握ることはおろか近づくことさえも感染症対策のために許してもらえないと説明されると……?
パパのひどい顔色を見たママは…
「……あれはパパ!」
パパに気づき、義母とM美さんが近寄ろうとすると……
「お気持ちわかりますが、近寄らないでください!」
医師から止められました。
遠くから少し見える程度でも、はっきりわかるほど悪い顔色。
あんなに……人形みたいな顔色……
本当にこのまま帰ってこないんじゃ…
そう思ったM美さんは、いてもたってもいられませんでした。
「……そんなの絶対ダメ!」
「パパ! これを見て! 娘ちゃんの絵だよ! 私たち近くにいるんだよ!」
「娘ちゃんが大好きなパパは世界であなただけなんだよ! 娘ちゃんのために、家族のために……必ず戻ってきて!」
M美さんの声がパパに届いたかどうかわからないまま、姿が見えなくなってしまいました。
「私に死ぬなって言ったじゃない……」
義母とM美さんは、震えて涙が止まりませんでした……。
パパの意識を取り戻すため、遠くてもパパの耳に届くように叫んだM美さん。パパの顔色は遠くから見ても悪いのに、近寄ることも、手を握ることもできないなんて……つらいですね。何もできないもどかしい状況ですが、パパが回復することをみんなで願うしかありません。