彼のマザコンが発覚
彼の実家は、私たちが住んでいるところから遠く離れた場所にあり、結婚前に私たちが義実家を訪れたのは、夏休みや年末年始など年に2回ほど。お義母さんはとても面倒見が良く、私が遊びに行けば明るく笑顔で迎え入れてくれました。そのため、のちに義母となる彼のお母さんのことが、私は大好きでした。
しかし、彼からプロポーズされてこれからの大切な行事を決めることになった段階で、義母から毎日のように彼と私に電話がくるように。結納はこうです、結婚式の衣装はこうです、お食事はこうですと、私たちにあれこれ指示を出してくるのです。
私たちには私たちの考えがあったので、義母の指示に従う気がなかった私は、「お義母さんの言うことを全部聞く必要はないよね?」と彼に相談しました。すると、彼は当たり前のような態度で「お母さんが大切だから言うことを聞いてくれ」と言ってきたのです!
まさかのひと言に呆れてしまった私
彼のまさか発言に、私はあ然としてしまいました。「私たちの結婚式だよ?」と反論したのですが、「結婚式は親のためにやるものだ」と言われ、これはもうだめだ……何を言っても無駄だと、心の底から彼に絶望しました。結局、私の意見は何も通らず、結婚式はすべての事項で私が折れるかたちに。義母の希望通りに執りおこないました。
また、このような大きな行事だけでなく、普段の生活で少し大きな買い物をするときなど、彼は必ずお義母さんに電話をします。炊飯器・大型テレビ・こたつなどを買うとき、彼は「この製品がこの金額なんだけど、買ってもいいかな?」と義母にいちいち相談するのです。
私も彼も、もう30歳を過ぎています。10代や20代で独り立ちしたばかりならまだしも、30代のいい大人が買い物するたびに母親に相談するのはどうなのかと、少し引いてしまいました。
とはいえ、さすがに子どもが生まれたら彼もしっかりしてくれるだろうと、私は心の中で期待していたのです。
結局、子どもが生まれてからも…
しかし、私の淡い期待は裏切られ、子どもが生まれてから彼のマザコンっぷりはひどくなる一方でした。
子どもの名前・ベビー用品・子どもに関する行事など、子どもの洋服を1枚買うだけでも、彼は毎回お義母さんに電話するのです! もういい加減にしてと思いましたが、彼に言っても聞く耳持たずで、機嫌が悪くなるだけ。私は子どもとの時間を大切にしたかったので、今では「もう好きにしてくれ」と思い、彼のことは放置しています。
そんな状況をいいことに、今では私たちの家庭にまつわるすべての決定権が、彼を通じてお義母さんに渡ってしまいました。私が言うことを聞けば、彼とお義母さんはご機嫌でいます。そのため、私は何ひとつ反抗せずいい嫁を演じきっています。
「お母さんが一番だから」と彼に断言されたときは、びっくりしましたし、少しショックな気持ちもありました。それに、マザコンの彼を見ているとストレスが溜まります。とはいえ、彼は私たち家族のために毎日朝早くから夜遅くまで頑張って仕事をしてくれています。私が出す毎日のごはんに文句を言ったこともありません。
マザコンすぎる部分を除けばとてもいい夫であり、私はこの人と結婚できてよかったと思えます。これからもこの生活は続きますが、なんとかして彼やお義母さんとうまく付き合い、一生を共にしていくつもりです。
著者/横長 かえで
作画/霜月いく
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!