2回にわたって子育て費用について中学生までの年齢別に説明してまいりましたが、第1子にかかる費用の内容でした。2人目はその倍かかると思う方もいらっしゃると思います。実際にはどのくらいになるのか、2人目、3人目にかかる費用についてお伝えします。
2人目は1人目の約80%!3人目は約60%
【1人目、2人目及び3人目の子どもにかける費用の比較】
平成17年『国民生活白書』第3-1-14図より著者修正
今から約10年前のデータですが、平成17年の『国民生活白書』では、総務省『家計調査』を特別に集計して、2人目・3人目の子育て費用を推計しました。実際には、子ども1人世帯、子ども2人世帯、子ども3人世帯の子育て費用をベースに、2人目・3人目にかかった費用を差し引いて計算をしたようです。22年間の子育て費用の総額は、1人目で1,302万円、2人目で1,052万円(1人目の約80%)、3人目で769万円(1人目の約60%)となりました。
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洋服やおもちゃのおさがりを活用!
この金額の推移は、過去に分析された方もいらっしゃいますが、大きく分けて2つの要因があると思います。ひとつは、食費や光熱・水道費のように人数が増えると単純にかかる費用が増えるものがある一方で、上のお子さんのおさがりが使える洋服やおもちゃなどの購入費用が減らせるので、1人目より子育て費用が減らすことができた部分と思われます。
もうひとつは、人数が多くなるために1人あたりにかけることができる費用が少なくなり、結果として2人目・3人目の費用が減った部分もあると思われます。
1人目>3人目ではない
あくまでも統計ですので、単純に全世帯で1人目のお子さんが3人目のお子さんと比べて費用が多くかかったわけではないこともご理解ください。
実際には、1人だけ学費のかかる学校や習いごとなどがなければ、3人お子さんがいる場合には、(1,302万円+1052万円+769万円)÷3人=一人あたり1041万円程度かかると考えたほうが自然かと思います。
3人目の児童手当は15,000円
いずれにしても、お子さんがひとり増えたからといって費用が2倍になるわけではありません。児童手当は3人目からは小学校卒業までは15,000円に増額されたり、お住まいの市区町村によっては、お子さんの人数が多いとお祝い金がもらえたり、保育料が割引になることもあります。
家計のやりくりと合わせて子育て費用の負担を減らすことができる場合もあるので、制度をしっかり利用しながら、最適なお子さんの人数を考えるきっかけにしていただければと思います。
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等、多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。