初給料の明細書を見たはちみつこさんは、不自然な点を見つけます。蓋を開けてみると求人票に書かれていた金額よりも3万円ほど低く、貯金を崩すことになりそうです。“年に2回ボーナスが出るから、それで帳尻を合わて、1年頑張ったら辞めよう”と心に決めます。
虚しさが込み上げて
園長が来ない日は、いつもよりちょっと早い19時に園を出られるのですが、先輩の九条先生とバスがかぶるので、陰口を聞き続けるのが地味にしんどいのです。
気を使ってスマホも見ることができないので、保育士仲間のかなちゃんからのメールにも気付くのが遅れてしまいました。
“本来なら16:30までの勤務で会うことができたはずなのに……。
お金がない。自分の時間がない。休日は出かける気力も残っていない。貯金を切り崩しながら何のために働いているんだろう”
ふと虚しくなって、泣きながら家まで帰ったはちみつこさん。
連絡をくれたかなちゃんとめぐちゃんは、はちみつこさんの保育科の学校からの友達です。仲の良い友達からの連絡で、張り詰めていた緊張の糸が切れてしまい、そこから一気に気持ちが折れてしまったようです。