娘と長い時間を過ごすなかで、夫は少しずつやさしさを取り戻し、娘に向き合うようになったものの、今後どうするのか妻はまだ決めかねていた。
ある日の夜、夫は「育休を取る」と話していたのに、仕事を優先して育休を取らなかったことを謝った。しかし、妻は「社内の雰囲気的に難しかったってわかってる」と言う。
「育児はもちろんだけど、『育休を取って子育てにしっかり向き合いたい』そう言っていたのに、なかったことにされたのが、つらかった」
二人で親になったはずなのに、子育てがとにかく孤独で、つらかった。謝ることしかできない夫に、妻が意外なことを言いはじめて……!?
「悪いのは、カズ君だけじゃない」
「カズ君だけが悪かったわけじゃないとも思ってる」
「え……」
父にキツイ言葉を投げられても、言い返さずに黙って耐えるだけだった母。
妻は、そんな自分の両親の関係性を見て育った影響で、自分も母のようになってしまっていたのではないかと言う。
「自分がすべて悪かった」離婚危機に陥った原因はすべて自分にあると考えていた夫にとって、思いもよらない妻の言葉。妻はさらに「自分も悪い」と言葉を続けて……。
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