乳首の痛みやおっぱいの痛みは本当に人それぞれで、全く痛くなさそうなママも見受けられました。私の場合は飲ませ方が下手なのか、授乳が恐怖でした。パンパンにおっぱいは張っているのに、母乳がうまく出てこないのです。
ブラジャーに少し触れただけでも乳首が痛むのに、赤ちゃんに吸われるあの痛さ。私は、ヒッヒッフーとラマーズ法を使いたくなるほどでした。おっぱいをくわえさせる時、さあいくぞ!と覚悟をしたものです。のちに授乳に慣れてくると殆ど痛みは感じなくなりましたが、数カ月後、突然の痛みが母を襲いました。
授乳にも慣れた6カ月目の出来事
息子が6ヶ月になるかならないかといった頃の話です。もう授乳の時の痛みはそう感じなくなっていたので、私はいつものように授乳をしていました。
ふと、何かを取ろうとしたその時です。息が止まる程の痛みを乳首が襲いました。乳首、取れたかも…と思った私はそっと胸を見下ろしました。
恐る恐る見てみると…
どうやら息子が乳首を噛んだようです。乳首は無事でした。体感では食いちぎられ、取れたかと思いましたが、息子の歯がまだちょっぴりしか生えていなかったお陰で助かりました。瞬間的に「メッ!」と息子を叱ってしまい、ただならぬ私の様子に息子は泣いていました。
織田信長が赤ちゃんの頃、乳母の乳首を噛みきったという逸話もあるようですが、私の乳首は無事でよかったです。
ママこっち向いて!
赤ちゃんが乳首を噛む理由は、歯がむず痒かったり、遊びでも噛むのだそうです。
私が気をそらしていたので、ママこっち向いて!と言いたかったのかもしれません。それ以来、噛まれることはありませんでした。今となっては甘い記憶ですが、もう経験したくない痛みでした。(笑)
私と同じように乳首の痛みと戦っているママは大変だと思いますが、いつかは終わります。そして自分を誇りに思う時が来ますよ。垂れた胸も、黒くなった乳首もママの勲章です。私はそう思っています。(TEXT:荒津 綾子)