こんにちは! 保育士の中田馨です。毎日子どもと生活していると、どうしても叱らなければいけない場面が訪れます。子どもを叱るって本当に難しい! 実は私もそう思っている一人。それは保育所の子どもたちもそうですし、もう中高生になった自分の子どもを叱るときもそうです。
叱るときに大切なことはいろいろありますが、私が大切にしているのは3つ。子どもの目を見て叱ること。そして、子どもの感情に影響されないこと。また、自分の感情は平たんでいることです。
今回は、子どもを叱るときに思わず言ってしまいがちな言葉と、その言い換えの方法をご紹介します。
“また”○○したのね!
子どもは、何度言っても同じことを繰り返しします。
例えば、「また指を吸って!」「また、意地悪して!」「また、散らかして!」などあるかもしれませんね。しかし、大人が何か指摘されるときに、「また」と言われるとどうでしょう?
「また、テレビばっかり見て!」と言われたら? 「いやいや、さっきまで家事をしていて、今やっと休憩するところよ。“また”などと決めつけないで」と思いませんか? 子どももきっとそう思っているはず。そのため、以下のように言い換えてみましょう。
・「また指を吸って!」
⇒「指をはずそうね」
・「また、意地悪して!」
⇒「どうして○○したのかな?」
・「また、散らかして!」
⇒「ママ、お願いがあるんだけど。ここを片づけてくれるとうれしいな」
上記はあくまで一例です。子どもにしてほしい行動を具体的に伝えたり、子どもの気持ちを聞くとよいでしょう。
“早くしなさい!”
「早く~しなさい」の“早く”は、親が思わず使ってしまう言葉の第1位かもしれませんね。「早くこっちに来なさい」「早く食べなさい」「早く着替えなさい」「早く寝なさい」などなど、年齢が高くなるごとに“早く”を言うことが増えてきます。
それはどうしてでしょう? それは、子どもがだんだん自立してきて自分でできることが増えてきたことを親自身が知っているからではないかと思います。しかし、思ったようには子どもが動いてくれない。そのため“早く”と言ってしまうのです。
思ったように子どもが動いてくれないということは、親としては自分が思った通りに動いてほしいわけです。しかし、親と子どもは別の生き物。思ったように動いてくれるはずがありません。
実は私もわが子には“早く”と言ってきた母親の一人です。しかし、あるとき息子に言われたのです。「ボクは一生懸命早く動いているんだ!!」ってね。そこで気づいたんです。「そうだった。私は数十年人生経験があるけれど、この子はまだ数年しか生きていないんだ」と。
大人は新幹線。子どもは普通列車。と思って、今以上に子どもを待ってみてください。その上で、言い換えをしてみましょう。
・「早くこっちに来なさい」
⇒「準備はできた?」
・「早く食べなさい」
⇒「よく噛んで飲み込んでね」
・「早く着替えなさい」
⇒「ズボンをはこうね」
・「早く寝なさい」
⇒「そろそろ寝る時間だから寝るよ」
言い換えるときは、今の状況をたずねてみたり、子どもにしてほしい行動を具体的に伝えるとよいでしょう。
実は、娘が中学2年生のころに、「明日何時に起こしたらいい?」と聞いたときに指摘されました。「毎晩、“ホンマに起きてよ”って言うのやめてくれへん? 腹立つねん」と。そのころの娘は、何度起こしても起きなくて手を焼いていたので、私の口癖になっていたんですね。いやあ、反省しましたね。叱る場面じゃないにしても、普段思わず子どもに言ってしまっている「NGワード」はほかにもありそうですね。