朝5時の「いってきます」にイライラ
朝早くに出勤するとなっても、夫は朝ごはんなど自分で済ませて出ていくので、私と子どもは普段どおりの時間まで寝ることができました。
しかし、もともと生活音が大きい夫は、子どもたちが寝ているそばでバタバタ大きな音を立てて朝の準備をします。毎回それで起きそうになる5歳と1歳の子どもたち。
そんな子どもたちを起こすまいと、私は寝たふりをしたり、子どもたちの体をトントンしたり必死です。そんな状況の中、夫は必ず出かける前に寝室の扉を開けて「いってきます」と小声で言うのです。
起きてしまう子どもたちに辟易…
この声が決定打となり、ムニャムニャしていた子どもたちはむくりと起床。けれどまだ眠いので不機嫌だったり、「パパぁ!」と大泣きしたりします。そんな子どもたちを見ながら「あ! ごめん! いってくるね! 顔だけでも見られてよかった!」と行ってしまう夫。起こすだけ起こしていなくなる夫に、私は毎回イライラが止まりませんでした。
とはいえ、夫も意地悪をしようと「いってきます」と言っているのではなく、「何も言わないで出て行って」とは言いにくい私。また、朝のことなので、夫が帰宅する夜には私自身もそのことを忘れていて、「あぁ、今日も伝えるのを忘れた……」ということを繰り返していました。
忘れ物をして帰宅した夫の衝撃
ある日、いつものように家を出た夫が、10分後に「忘れ物をした」と急いで帰ってきました。そのときもまだ大泣きを続けていた2人の子どもたち。夫は部屋に入るなり「え!?」と驚き、私に「いつもこうなの?」と聞きます。
「え? そうだけど」と答えると、「うわ、ごめん。俺、すぐ泣き止むのかと思ってた」と言う夫。その夜、夫は子どもたちの泣き姿が衝撃的だったのか、「これからはもっと静かに出るよ。いってきますも言わないでいい?」と言ってきたのです。「やっと伝わった……」と、ホッとした瞬間でした。
夫いわく、私が子どもたちと夫を置いて出ていくという逆の立場のとき、最初は号泣するものの、すぐに泣き止むのだそう。そのため、自分が出ていく場合もそうなのだろうと思っていたということでした。私は、もっと早く言えばよかったと後悔。「帰ってきたら話そう」では忘れてしまうことも多いので、今は思いついたそのときにメッセージを送るなどを心がけています。
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作画/キヨ
著者:山口花
田舎で1女1男を育てる母。コーチングの資格を子育てに生かしながら日々奮闘中。主に妊娠・出産・教育の記事を執筆している。
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