もっと働くはずだったのに…
独身のころは朝から夜遅くまでバリバリ働いていた私。やりがいのある仕事が大好きで、結婚後も仕事を続けたいと考えていました。ただ男性が多い業界ということもあり、当時は産休・育休を経て復帰した先輩はほとんどおらず、漠然とした不安もあったのです。
そして結婚すぐのこと。なんと夫の転勤が決まってしまいました。新婚でしたし、子どもが欲しかったこともあり、彼の転勤についていくことにしました。ただその決断までには、大きな葛藤やモヤモヤがあったのも事実です。
第一に、私の仕事について。他の支店に異動させてもらう、もしくは仕事をいったん辞めるという選択肢を迫られることになりました。
当然、自分についてくるものだと考えていた夫は、私が悩むこと自体が信じられないようでした。夫は亭主関白とまではいきませんが、女性は男性を支えるものという考えが強かったのです。しかし、私にとっては自分のキャリアを左右する重要な問題。今までは自分主体で生きていたのに、結婚したことで自分がサブ的な立場にされてしまったことが受け入れられなかった部分もあります。でも、離れて暮らすことも離婚することも考えられません。そのため、まずは他の支店に異動させてもらい、夫の転勤についていくことにしたのです。
しかし数年後、夫はまた転勤になり、違う土地へ引っ越すことに。結局そのタイミングで、私は退職することに決めました。
出産して見えてきたこと
その後、子宝にも恵まれ今では元気いっぱいな3人の子どもたちに囲まれて生活しています。一度正社員の立場を手放し、夫の転勤も重なったので、「会社に勤めてバリバリ働く」というかつての希望はまだ叶えられていません。両親も遠距離に住んでおり、夫は毎日夜遅くに帰ってくるので、ほぼワンオペで乗り切っていかなければならないからです。
子どもの保育園探しで右往左往していたころや、急な体調不良に対応しなければならなかったころは、「なんで自分ばっかり」と思うことも多かったです。自分のころはいつも後回しで、疲労やストレスを蓄積させることも少なくありませんでした。
しかし今は、家事と育児と両立しながら在宅ワークに励んでいます。
夢は叶えられなかったことはデメリット?
キャリアを手放したこと、自分主体に生きられていないことは、自分にとってデメリットだと感じることもありました。しかし、思い描いていた環境と変わったからこそ、また違う世界を見れるようになったと思います。今在宅ワークで手掛けている仕事は、会社勤めをしていたころとはまったく畑の異なる内容です。また、子どもたちを通じて知り合った人たちの中には、自分が今まで出会ってこなかったタイプの人も多く、さまざまな価値観や世界を知ることができて、視野を広げられるようになりました。
なにより、かわいい子どもたちと過ごす日々はかけがえのない宝物です。大変なことのほうが多いですが、何にも代えられない幸せがあります。さらに、子どもたちとの日々を通じて児童心理学に興味がわき、資格取得に向けて勉強を始めるようになりました。結婚や出産を経てキャリアを手放し、まわりに翻弄されるなかで、私は自分の世界を広げられるようになったのです。
これまでなんらかの決断を迫られたときは、さまざまな悩みや葛藤が生じました。まわりに相談したり愚痴ったりすることも多かったです。しかし、数年経ち振り返ってみるとあのときの判断のおかげで今があるなと思えることも多いのも事実。これからも、自分の生き方に自信を持ち、かけがえのない日々を歩んでいきたいと考えています。
著者/匿名希望
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