義姉との出会い
義姉との出会いは、僕が妻と結婚をする前。義姉夫婦が住む家へ遊びに行ったときから始まりました。
義姉は僕より10歳上。きれいで清潔感もあって、初めて会ったときはまさに「大人の女性」という印象でした。軽く挨拶を交わして、僕が自己紹介をしていると、突然「車は何を乗ってるの?」と質問されました。僕が「40万円、フルローンの小さい中古車に乗っています」と答えると……義姉は喉仏が見えるくらい大きく口を空けて大爆笑。
「そんなに笑うところなのかな?」と思いましたが、僕は関西人のため「ウケた」と思うと少しうれしくも感じて、特にこのときは違和感は覚えなかったのです。
止まらない自慢トーク
僕の車の紹介でなぜか少しウケたこともあって緊張感がほぐれてきたと感じ、僕から「お姉さんはどんな車に乗っていますか?」と質問してみました。
すると「まぁたいしたことないけどね〜」と言いながら、義姉の口から出てきた車の名前は、総額600万円する高級車。僕が乗っていた車の10倍以上する値段の車だと知って、このときは「すごいですね! カッコいい!」と本心からの反応すると、義理の姉は「まぁたいしたことないけどね〜」と腕を組みながらニタニタと笑顔で反応していました。
そして、「本当はもっといい車があったけど、子どもが小さいし、今はファミリーカーが必要だから我慢してこの車に決めたのよ」と義姉。
ここで、僕はふと違和感を覚えたのです。僕からすると40万円をフルローンで購入したのに、妥協して600万円の車を買ったと言う義姉。僕にとっては、さすがに気分のいい話ではありません。その違和感から、「これは義姉が自慢したいだけの話なんだ」と気づいたのです。これ以降、僕は愛想笑いをすることしかできませんでした。
自慢話を延々と聞いているのは気分のいいものではありません。しかし、結婚し完全に関係を断つことは難しいもの。
そこで、とにかく僕が慣れるしかないと思い、現在は逆に自慢話にこっちから食いついてポジティブな反応をするようにしています。たとえば、600万円の車の車内を見せてもらって、座席の柔らかさや触り心地などを実際に僕が体験。「すごいですね!!」と僕がポジティブな反応をすると、義姉も自慢できてうれしいのか喜んでいました。そして僕自身、義姉の高級車に触れるうちに、これまであまり関心のなかった車のことにどんどんと興味を持つようにもなったのです。自分なりの対応が、義家族との関係を崩すことなくさらに僕にもいいほうに作用した結果となり、「自分の対応は間違っていなかったのだな」と感じています。
今後も義姉の自慢話注意報が発令されたとしても、どっしりと構えて義姉と向き合っていきたいと思います。
著者/佐藤ゆう
イラスト/マメ美
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