【前回のあらすじ】子宮体がんが判明し、約6時間におよぶ大手術を受けた、はなうたねこさん。子宮と卵巣を全摘し、周囲のリンパ節も44個切除しました。また、子宮体がんの進行度を確かめるため、手術時には患部組織を採取し、病理検査(採取した組織を顕微鏡で観察する検査)に回したそうです。その結果……。
退院、そして抗がん剤治療が決まるまで
手術から数日が経ったころ、医師が病理検査の結果を伝えに、はなうたねこさんの病室へとやってきました。その結果、リンパ節3個にもがん細胞が転移していたことが判明。手術前、医師からは「手術してみないと、子宮体がんの進行度はわかりません。転移していたらステージはⅢCで、転移がなければⅠCでしょう」と言われていましたが、病理検査によって、現在は末期ステージの1つ前、ⅢCであることがわかりました。
切り取った子宮の断面写真を見せてもらったところ、ブツブツのできものがぎっしりと並んでいたそうです。
「残念だけど……これから抗がん剤治療を始めましょう」
思ったよりも子宮体がんのステージが進行していたことと、抗がん剤治療をしなければいけないことに、大きなショックを受けた、はなうたねこさん。それでも、やるしかありません。
そして、手術から約2週間後。手術した腸の調子はまだイマイチで、おなかがポッコリしてズボンのファスナーも全開のままだったけれど、なんとか退院! お世話になった医師や看護師さんにお礼を告げ、病院をあとに。しかし、退院したとはいっても、医師の指示でこれから2週間は自宅療養しなければなりません。
ちなみに、約2週間分の入院費は10万円弱だったそうです。
退院当日は、お姉さんと友人の2人が迎えにきてくれたそうです。そこで、入院時にずっと気になっていた、病院1階にあるコーヒーショップに3人で寄り道。「退院して好きな物が飲めるようになったら、絶対にここに寄ってコーヒーを飲もう」と決めていた、はなうたねこさん。
念願叶ってようやく飲めたコーヒーの味は……期待しすぎたせいか、よくわからなかったそうです。それでも、好きな物を飲めることの幸せを噛み締めた、はなうたねこさんでした。
今回の手術と入院、そして自宅療養で、約1カ月間仕事を休んだ、はなうたねこさん。しかし、傷病手当を申請したおかげで、いつものお給料の2/3を支給してもらえることに。傷病手当は、病気やケガの療養のため4日以上休んだら、療養4日目から支給されます。
傷病手当は、まず職場と病院に申請書を記入してもらい、そのあと協会けんぽ(全国健康保険協会)や組合健保(組合管掌健康保険)などに申請をすると、後日、指定の口座に手当金が振り込まれます。はなうたねこさんの場合は、申請先が協会けんぽだったそうです。
ちなみに、傷病手当は最長で1年半、支給が可能だそうです。
自分が病気になる前は、「病気の人ってかわいそう」「気の毒に」と感じることもあったという、はなうたねこさん。でも、いざ自分が子宮体がんになり、自分と同じようにがんと闘っている人たちと病院で接してみると、
「退院したら普通のごはんを食べたい!」
「がんが治ったら旅行に行きたい!」
「抗がん剤治療があと1回で終わるの! それまでの辛抱よ!」
と、みんな目標を持って前向きに頑張っていることがわかり、「病気の人ってかわいそう」とは、まったく思わなくなったそうです。
むしろ、みんなに感化されて、「よっしゃー! 私も頑張ろう!」と、はなうたねこさん自身も前を向くことができました。
もしかしたら、つらいがん治療を乗り切るコツは、家族や友人はもちろん、周りのがんサバイバーとの支え合いにもあるのかもしれませんね。
監修/助産師 松田玲子
はなうたねこさんのマンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪
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